フィアットチンクチェント エンジンパーツ一覧

先日ご紹介した、エンジンオーバーホール車輌の中心核となるパーツです。
フィアット・ファイアエンジンは純正部品の供給が終了している物が多く、要注意です。
今回の作業にあたっても例に漏れず、ピストンリングに四苦八苦しました。
正規ルートでの部品調達は不可能です。

そこで今回用意したのは、全く異なるエンジンに使われるピストンリングです。
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10000回転以上回る事を想定して作られた部品は、ファイアエンジンの純正品とは比べ物に
ならぬ程のクオリティの高さです。
素手で持った時、手触りが非常に良いのには驚かされました。
角が立ってないのですね。
そして、金属表面に施された処理も重なり、凄く出来栄えの良いピストンリングです。

クランクシャフトは、先日の説明にもあった様に、バランス調整とWPC処理を施しました。
黒ずんでいたクランクシャフトを洗浄するだけでは、この肌にはなり得ません。
WPCショットならではの光具合です。
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そしてピストン本体は、寸法の狂いが無い為に再使用です。
こちらにはモリブデンショット(浸透コーティング)を施しました。
ピストン構造がフルフローティングでは無い為、WPCを施すにはピストンピンを抜く
必要があり、ピンを傷付けるリスク回避の為、モリブデンを選択。
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メタルホルダー部は、手が切れてしまう程のエッジなので、手作業でバリ取りです。
RIMG1342

エンジンパーツは組み込み後は見えなくなるのが残念です。
どれもこれも、影の存在にするには惜しい造形品だと思います。

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