Vol.1 PEUGEOT 106 徹底メンテナンス
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速くなるためには何をどうすべきか『YZ最速』は『究極』なんだろうか?トンガリ仕様からモディファイのキモを探す

…つもりでいたけど、それほどトンがってはいなかった。
だけど異例に速い106であることには変わりはない。
どーしてそんなに速くなっちゃったんですか?

三尾浩章さん1.6ラリー
YZ瑞浪サーキット最速の1.6ラリーのベストラップは42.5秒。ミニサーキットを走るユーザーにとって、そのチューニング内容は大いに参考となるはず。

ニュートラルを目指したジオメトリーチューン

東海圏の106ユーザーたちの聖地とさえ言われているYZ瑞浪サーキットで、106のベストレコードを記録しているのが三尾浩章さんの1.6ラリー。そのサービスを担当しているのはやはりレッドポイントだ。代表の赤座さんによるとそれは、やるべきことは全部やった究極の仕様……だという。でもエンジン本体はノーマルだったり、スペシャルなサスキットを装着しているわけでもないしで、一見したところは「そこそこイジッた106」にしか思えなかったりもする。

ところが三尾さんの1.6ラリーは確かに速い。チョイ乗りさせてもらったレベルでも、その加速性能とシャープなハンドリングは通常イメージされる106の領域を逸脱。潜在能力の高さを感じさせる。

ハンドリングの良さを支えるのが、調整式ピロアッパー仕様の車高調サスキットであり、それを生かしたジオメトリーチューンだ。フロント左右輪ともキャスターを従来比で約プラス1度、キャンバーを0度50分〜1度の範囲でマイナス側に振ることによって、大幅な旋回性能アップに成功している。注目したいのはキャンバーは特にネガなわけではなく、乗用車としては一般的なレベルに止めつつ、キャスター角を増すことによって安定方向の走りを目指していること。トレール変化が少ないためなのか、より正キャスターとしてもダルにはならず、じつに良好なニュートラルステアが獲得できるという。

そこに到るまでにYZで何パターンものテストを重ねて得られた設定値だが、それはYZ専用データではなく、あらゆるサーキットで通用すると三尾さんもレッドポイントも考えている。データを快く公表してくれたので、誰か試してみてください。

さらにハンドリングに貢献しているのが、車高を落としてしっかり低重心化した上で整えられた絶妙な前後車高バランス。リアスプリングがトーションバーだけに、いわゆるソケットのコマずらしでセンチ単位の車高調整しかできないと思われがちだがじつは勘違い。ひとコマずらしたその中で数十度刻みの調整範囲があり、ミリ単位でリアの車高をアジャストすることができるという。安定したハンドリングは、それを実践しているからでもあるのだ。

どうやら106を速くするためのネタは、まだまだ尽きていない模様。ちなみに三尾さんの1.6ラリーの軸出力は、エンジン本体ノーマルにも関わらず154馬力! 特にカリカリのヘッドチューンを施さなくても、念入りなバランス取りを施せば狙える数字らしいです。

写真吸排気系を始めとした補機類には手が入っているが、S16と同じ1.6リッターDOHCは基本的に本体ノーマル。それなのに軸出力154psとは!

写真Pバルブ調整レバーはブレーキング時に起こりがちなリアタイヤのロックを防ぐため。あえて初期制動性の悪いパッドを装着する手段もある。

写真ナンバー付き車両として常識的な範囲でボディ剛性もアップ。タワーバーはもちろんのこと、センターフロアブレスも装着されている。

写真ステンレスマフラーはレッドポイントによるワンオフもの。中間パイプともどもの換装だ。まったく同じスペックでのオーダーは可能だという。

写真日本一の106フリークを自認する三尾浩章さん。「そんな自分とレッドポイントは最強タッグだと思っています」。実際、最速ですから。

ALINGNMENTフロントのトー&キャンバーをサーキット仕様に。これが効く!

トライ&エラーを重ねた結果に決定したのが右側のスペック。装着タイヤやサスペンションによっても違ってくるから、これがベストとは言えないけれど、キャスターとキャンバーの関係性は大いに参考になりそうだ。三尾さん自身、このスペックにしてからの旋回性向上ぶりに狂喜したという。ちなみに現状では、左前輪キャスターが2°55'、キャンバーは−1°56で、右前輪キャスターが3°08'、キャンバーが−1°40'に落ち着いているとのこと。

写真 写真

LIMITED SLIP DIFFLIMITED SLIP DIFF差動制限がなくてどーする!?コイル式は立ち上がりが抜群

すでに生産中止となったAPシュアロックに代わって登場したのがクスコ製のコイルスプリング式。イニシャルトルク6kgm、スプリングの本数変更とクラッチ組み換えで効き味の調整が自在。カム位置変更で1ウェイと2ウェイが選べるスグレもの。S16&1.6ラリー用(\207,900(税込))のみ。

FLYWHEELFLYWHEELショートサーキットだからこそレスポンスの善し悪しが重要なのだ

レッドポイントのニューアイテムが重量4kgの軽量フライホイール+クラッチセット(\93,450(税込))。クラッチ自体は純正だが、容量的には十分と判断してリプレイス目的で設定。レスポンスアップのための最終兵器か?

HEIGHTADJUSTABLE SUSPENSIONHEIGHTADJUSTABLE SUSPENSIONやっぱり純正形状じゃモノ足りない微妙な前後車高バランスで速くなる

三尾さんも装着するビルシュタイン・ベースの車高調キット(¥239,400(税込))。キャンバーとキャスターが各0°20'刻みで調整できる別売りのピロアッパー(\47,250(税込))を併用すれば、ジオメトリーチューンも容易に。使用スプリングに応じてアッパーシートも各種用意される。

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