ちょっと箸休め メカニック橋本コラム

今回お預かりしているお車のカーステレオから、私が中学生時代に好きだった曲が流れていました。聞き込むつもりは無かったのですが、たまたま再生中だったので色々な思いを巡らせました。
中学時代、この一冊とこの1台で自分の人生は変わったんだなぁ。と今思い返すと人生の中でかけがえのない出会いと言い切れるのでしょう。
それがコレ

車好きなら誰もが通ったであろう、西風氏のGT roman。
中学の頃、何気なく本屋で見つけ手にした漫画です。
油臭くて、男臭くて、サウンドまでもが伝わってくる様な描写に子供心ながらに、オトナの車遊びの世界は何て楽しそうなんだろうと心躍らせました。

元々、旧い車に父親が好んで乗っていたことも有り、幼い頃から車好きではあったのです。
その父の車の整備を手がけていたのが、いまの私の会社のボスでした。神戸からはるばる岐阜の地まで車を持って行き、何台かの車を任せていました。時間の合う際は助手席に必ず乗り、岐阜まで行った事も懐かしい思い出です。愛車の中でも最も大好きだった1台がこのマスタードイエローのMGB。そのものではありませんが、忠実に酷似しています。

この車が大好きで、幼少期から高校生まで生活の中に居たMGBは人生の中でも相当色濃く残っている車です。

ケーターハムスーパーセブンとの出会いもこんな頃です。
父に頼まれた物を買いに、近くの目的地に向かう途中で路肩に停まるセブンを見つけ、一目散に駆け寄りました。なんせ実車をみるのが始めてだったものですから、その興奮ときたら凄いものでした。
オーナーに話しかけ、3キロ程隣に乗せてもらい、その豪快な走りに酔いしれました。「いつかはオレも絶対に乗るぞ」そう心に誓ったのは未だ忘れません。

進路に悩む中学3年の頃、車談議で話の合った担任が「おまえは自動車科に行ったらどうだ?」と言葉を投げかけてくれ、進路が決定。いつかはセブン、そしてそのセブンは自分で整備をする。
ただの車好きに、将来の隙間が顔を覗かせた瞬間です。
工業高校自動車科に進学し、3年の夏には泊まり込みでレッドポイントでバイトをさせてもらい、翌春に正式に入社。色々ありましたが。。。
それから早いもので24年の年月が過ぎ去りました。

振り返ると、これまでの自分を築き上げたのは思春期の様々な出会いのおかげです。1曲を聴いただけで、いろいろと感慨深い感情がよぎりました。

夢の形は年月と共に形を変え、父の愛した車屋で日々働く自分。この状況に感謝です。

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