フィアット500ツインエアー故障で入庫
エンジンがかからない症状


始めて診させて頂くチンクですが、エンジンが始動しません。レッカーでの引き取りからのお預かりとなりました。取り付けた牽引フックがその様子を物語っています。皆様トラブル発生時にどうすれば良いか?そんな不意の事態は起きて欲しくないですが、起きてしまった時どのように対応するかを把握しておくと心強いですよ。当社では不意のトラブルにも様々な形で対応しています。事が起きる前にご相談下さい。

エンジンが始動しない。。。
理由は色々ですね。セルモータが回らないのか、回るけど始動しないのか。そこの判別を現代のユーザーさんは把握出来ていないケースがとても多いです。
ある意味車を家電の様に考えてしまっている方が多い様に感じますね~。
現代化された車も、理屈は同じです。電子制御化されたクルマとの上手な付き合い方、そんなお話しもたまにさせて頂いています。知っているのと、知らないでは大きく違う基本のアレコレ雑学もお任せ下さいね。

今回の始動しないケースは、スタータは回るけど、始動しないパターンでした。
お電話でのお客様のお声は「バッテリがダメみたいです。。」でしたので、スタータバッテリや予備バッテリを準備して向かいました。一発でかかるだろ~っと。
ところが、バッテリは元気にセルモータを回しています。あれ?そう言うことか。。ウィンチで引き上げるが正解だと判断し、持ち帰って点検すると。

回転信号は異常無し・燃料噴射信号も出ている・点火系統も異常無し

おや?もしや。燃料きてない??

リヤシートを外して直接ポンプを確認すると、微動だにしない状況じゃないか~。。

チンクの燃料ポンプ不動は当社では初めてでした。
でも、在庫持ってるんですよね。


ポンプを組替えて、いざ始動~!
すんなりと始動すると思いきや、それでも未だ始動してくれません。。

電気的トラブルの併発か?と思い基本部分を一通りチェックするも、異常は無し。

冷静に考えると、スタータモータが回すエンジンの音がいつもと違う。
妙に軽く回っているんですよね。クランキングを続けると、重みの有るクランク音に変化してきました。と同時にエンジン始動です。
何が起きていたかと言いますと、自宅でエンジンが掛からないと、セルを回し続けた結果バルブリフトコントロールソレノイドの油路にオイルが無くなり、バルブを開けることが出来なくなった。その結果エンジンは吸気を出来なくなり、圧縮を出来ない。
でも、クランクを更に回す事でそのラインの油圧が確保され無事に始動。これが一連の流れですね。

入り組んだトラブルが起きていなくて良かったです。

この後、各部のメンテナンス作業に移ります。

Written by Hashimoto

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