エンジンが始動しない時がある
フィアット パンダ ツインエアー

セルモータは回るが、初爆が無くエンジンが始動しない。悩める症状の原因は意外な所に潜んでいました。
いつも通りにセルを回すも、空回りの様な回転となり、エンジンの始動に至らない困った症状のツインエアーエンジン。
この症状、カムシャフトを持たないマルチエアーエンジン特有の症状として、噂には聞いていた物の直面するのは初めての事です。
フィアット500やパンダ ツインエアーそしてアルファロメオミト・ジュリエッタ とフィアットプントエヴォ これらは吸気側にカムシャフトを持たない事が有名であります。
いかにしてエンジンが空気を吸うのか。それを制御するのがマルチエアーユニットと呼ばれる冒頭画像のアルミボディの制御システムです。
マルチエアユニットは、油圧+ソレノイドの制御による可変バルブリフトを行う装置です。

エキゾーストカムシャフトのカム山を駆動力として、油圧を発生させています。
この拡大画像がオイルポンプの役割を担います。

エキゾーストカムシャフトは、排気バルブの開閉と、インテークバルブ制御用の油圧発生の源となるため2つの仕事を行う事になります。
取り外しにもう少し苦労すると思っていたのですが、すんなりと外れてくるのですね。

むしろ、ここまでの分解に至るまでの工程が大変であります。
カムカバー上部に、インマニの補強用ブラケットが乗る為、インマニの取り外しが必要です。
インマニを外すには、その傍の補記類を外す必要があります。
非常に面白く、奥ゆかしいエンジン制御です。

通常は、カムシャフトのカム山に沿ってバルブが開閉するのですが、マルチエアーユニットは必要に応じたバルブ開閉を可能とする為、余分な空気を吸う必要がなくなります。
そうなれば自ずと燃料の噴射量が減り、余分な燃料消費は無くなります。
おそらくですが、アイドリング時には殆どバルブは開いていないのだと思います。
機構的に高回転には向かないと思いますが、もしもこれが高回転にも絶える構造の場合は、フルチューニング仕様の高回転エンジンに採用された場合とても面白い事になりそうです。
リフト量もタイミングも自由自在となる為、プログラム制御でカムプロフィールを構築する事が可能になるわけですね。
なんとも独創的な設計を開発したのでしょう。
フィアット社は面白いですね~!
交換後は、エンジン始動の安定感を始め、随所でこれまで疑問に感じていた不具合が解消されました。
Written by Hashimoto












