リヤスイングアームの点検より開始します
プジョー106リフレッシュメンテナンス


先にスチーム洗浄作業を終えていた106s16は、お客様との受け入れ時ご相談事項にあった、後部サスペンション系統から発する異音についての調査から開始しました。特定の段差を低速で越える際に金属音が出る。という事で、お客様はリヤスイングアームシャフトに及ぶダメージを心配されていました。
当社で行う作業については、着手前にある程度の概算見積りをご用意し、それを基に進めていくのですが、スイングアーム内部にダメージが及ぶ場合は大幅に作業内容が事なる為、まずはここについての作業より開始します。

クロスメンバー側にスイングアームシャフトが備わる106(306や205はスイングアーム側にシャフトが備わる)は、必要個所を分解しながら各部の組み付け状態が正しいかも同時に点検を進めて行きます。過去に様々な手が加わっている場合、点検の必要性は更に重要になってきます。
トーションンバーの差し込み位置により、リヤの車高を自在に調整可能な構造の為、過去に分解を行っている場合はそこに誤りが生じているケースが多いです。

その結果、下記画像のような事も起きてきます。
これはリヤスタビライザーのエンドプレートですが、左右のショックアブソーバを外しサスペンションが伸びきった状態において、スタビに無理な力が掛かっていないか?を確認します。すると分かったのが、その状態ですでにスタビプレートに捻じれが生じていたことです。エンドプレートを固定するボルトを外すと、スイングアーム側のねじ山位置にズレが生じていました。

スタビプレート内部に刻まれるスプラインのズレ幅では改善できそうに無い、微妙なズレの様に思えます。

その後スタビライザーバーを外すと、ちょっと面白いことになっていました。

ラバーシートが巻き付けられ、それをテープで固定しています。初めて見る手法です。
この106は、現オーナー様がトルコでの海外出張期間中に現地ディーラにて中古車として購入された車です。おそらく前オーナーが音に悩み、海外にて施した対策と考えられます。結果的に音の改善には至らなかったのですが、国内での処置では無く海外での苦労を垣間見れたのはなんだか嬉しい気持ちになりました。

その後ブレーキ系統を分解し、左右それぞれのスイングアームを抜き取ります。

左右ともに、アームシャフトの状態は非常に綺麗で安心できる状態でした。

ここにダメージが確認された場合は、過去に紹介した非常に大変な作業を強いられます。

引き続きベアリングの組み換え作業を進めて行きます。

Written by Hashimoto

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