ルーテシア3RS 色々な箇所がグラグラです


ご新規様のルーテシア3RS は初回整備でのお預かりをさせて頂いています。
今回の作業を行いながら感じたのは、各部の劣化やその進行状況は走行距離の少ない・多いに比例しないという事。

現車の走行距離は3万キロ台と極めて少ない状態のお車でした。

予めの点検において確認をしていた箇所の改善を行うために、作業を進めていると思った以上の劣化進行を確認しました。

恒例の「シフトレバー下側のガタツキ」を修理しているのですが、ここは緩みきっていました。

リンケージの操作に併せてグラグラと動いてしまっているのがよく分かります。

そして、超危険レベルだったのが「クーリングファンのセンタースクリュの緩み」です。

クーリングファンのプロペラ部のガタは、モータ内部保持が緩い場合と、プロペラとモータを固定するセンタースクリュが緩んでいる場合の2種類に分かれます。
後者のセンタースクリューの緩みは、2次被害が起きる可能性が大です。
動画から分かる様に、クーリングファンはラジエタにスレスレなクリアランスで装着されています。冷却効果を上げる為です。
過度なレベルまでスクリュが緩むと、プロペラが半脱落します。そうすると、かろうじて駆動するプロペラがラジエタコアに干渉し、削ってしまいます。
最後には盛大に水漏れを起こすという結末に。

今回のルーテシアは、スクリュの緩み度合いが酷かったです。大事に至る前に対処が出来て良かったです。

最後は「エキゾーストパイプからの排気漏れ」です。
確実に排気漏れしている音が出てるな~とは思いながら、リフトアップし確認すると。
触媒の繋ぎ部分で盛大に漏れていました。

過去にこの部分を外したのでしょうか。クランプの一部の部品の装着状況がおかしい事が分かりました。
それ故にしっかりと締め付けることが出来ていなかった様です。
ここは、シフト下側の修理の際に分解する場所ですので同時に修理が出来ます。

と、理由の有るグラグラ箇所を各部改善し、続いてはリジッドメンバーによる構造由来の緩い箇所を改善していきます。

お預かりさせて頂くルーテシア3RSには殆どの場合に装着ご依頼をいただく定評部品「リジッドメンバー」です。
メンバー固定箇所のセンターに位置する部分ですが、強度の欲しい箇所が緩く構成されています。
ゴム製のブッシュを、リジッドメンバー(金属カラー)に組替えることでフレームとボディの剛体化が実現し「走る・曲がる・止る」の3要素を向上し、ルーテシアの動力性能を引き上げます。

寸法を合わせて、プレスによる抜き換えを行い、その後は溶接にて固定~塗装を行います。


ルーテシア3RSは、増し締めが効くポイントが複数存在します。
ステアリングラックの固定部はその代表箇所のひとつ。
その他の部分を含めて確実に締め付け確認を行います。

この後は4輪アライメント作業へと移ります。
Written by Hashimoto

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