ABARTH500の足回りはお任せ下さい。ビルシュタインB14+スフェリカル相性抜群☆

SessAスフェリカルアッパーが始まって以来、足回りの変更や・バージョンアップについてのご相談が非常に多くなっています。
スフェリカルアッパーは種類が多く、工場通信をご覧の方々にとって自分にはどれが合うのか?
自分の使い方にはどれをどういう組み合わせで組み付けるのが良いのか?
など、ちょっと分かりづらいですよね。

実は、私達もまだまだこれからそのノウハウを蓄えていく段階なのです。
普段使用しない足回りへの組み合わせや、バネレート変更に伴うバージョンアップの場合
車高のバランスがどうなるか?など未知の部分も多いです。
当社で使用している足回りに組み付ける場合や、純正の足回りに組み合わせる場合は既に実績が豊富ですから
メリット・デメリット共に把握できていますので、ご安心下さい。

こういった理由から現段階では、スフェリカルシリーズの通販を行っておりません事をご了承下さい。
遠方の方々からのお問い合わせを頂く機会もありますが、そういった場合はフロントショックアブソーバ本体を当社へ
お送りいただき、当社でダンパーへの加工及び、パーツのフィッティングを行いお送りします。

今回は、アバルト500へのフィッティングです。
装着済みのビルシュタインB14に、スフェリカルアッパー C-2+スラストベアリングの組み合わせです。
さらに、バネレート変更も合わせて行います。
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ラテンフェスタにも参戦するアバルト500です。
当車輌には、アルゴス・ライトクラッチキットやメカニカルLSDも組み込んでいます。
そして、過去にもご紹介した痛い経歴を克服した1台でもあります。
普段のオイル管理から、メンテナンスにいたるまで全てをお任せいただいている車です。

スフェリカルアッパー Type C-2は、キャンバーがマイナス1度&キャスターがプラス1度増加可能なタイプです。
ストラットハウジングに対しての支持位置(スフェリカルボールの)が25ミリ程下がる為、ダンパー長をそのままで
車高を下げて使用すると、ダンパーストロークが不足し、底付き減少を起こします。
なので、組み付けの前にアジャスタブルサスペンションを一度全て分解し、ダンパーのトップ形状を旋盤加工により
ショート化する必要があります。
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希望の寸法まで切削し、その後はプレスにてダンパートップにヘックスレンチの穴加工も行います。
さすがにこういった作業、DIYではできませんよね。
なので通販できないのです。

加工後のトップ形状はこの様な感じになります。
つまり、支持位置が下がった分をダンパーストローク確保の為、短くするのですね。
こうすると、縮んでケース内に隠れてしまう倒立シリンダーを引き伸ばすかの様に出して来る事が可能になります。
これでダンパーストローク量が保たれ、ガツンっとくる嫌な衝撃を回避できます。
レートアップも同時に行いますので、瞬間的な大きな入力に対しての縮み量も減ります。
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フロントのキャンバー、ネガが増し、見た目にも良い感じ☆
見た目重視ではありませんが、サーキット走行に重点を置く場合、ネガキャンは必須だと思います。
あと、見た目には分かりませんが、キャスタアングルの増加、これは嬉しい要素です。

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仕上は4輪トータルアライメントで各部の数値を合わせて行きます。

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今回のバージョンアップに伴うアライメントの数値と、前回の足回り変更時のアライメントデータを比較してみましょう。
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これはノーマルアッパーマウント時のデータです。
現行の測定(調整後)のフロントキャンバーとキャスターをご覧下さい。

そして、こちらは今回の作業後のデータです。
同じくフロントキャンバーとキャスターをご覧下さい。
それぞれが1度プラスα増えています。
キャンバー角度は、ビルシュタインダンパーの生産次期によっても変わってくるのですが
このタイプはキャンバーが増える頃の物ですね。
そこにスフェリカル C-2を合わせると見た目にも分かるネガティブキャンバーとなります。
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そしてそして、サスペンションテストにも変化が出ています!
こちらは作業前のデータです。
フロントの路面粘着率は低くは無いものの、安定感に欠けます。
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作業後は、余計なブレが無く、納まりの良い足回りになっている事が見て取れます。
これこそがスフェリカルアッパーの効果であり、純正の弱い箇所を補った結果でもあります。
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特に、硬いサスペンションを装着すればする程、ノーマルの浮いたマウントは暴れてしまいます。
それにより、実際のサスペンションの動きに対して余計な おつり が付いてきて揺れが増幅され
納まりが悪くなるということです。

スフェリカルアッパーにご興味をお持ちの方、まずは一度ご相談をお待ちしています。
最適なパーツチョイスをご提案させて頂きます。

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