要点を抑えてリファインの進行中


足回りの各部に劣化が見つかり、必要に応じたリペアを進行中のルーテシア3RS。
足回りの構造が複雑で、分解と修理には慣れを要す必要があるのがこの車の特徴でしょうか。

特にこの部分、ダブルアクスルストラットはベストコンディションを維持する必要のある重要箇所です。
ダブルアクスルストラットとは、FF車の弱点克服をすべく開発されたストラット方式の一つです。
ステアリング旋回に伴うアライメント変化を、最小限に抑える事が最大のメリットと言えます。
その結果、キャスタアングルを大きくセットする事が出来、直進安定性能を飛躍的に向上させています。

従来ストラット構造では、キャスタ角を大きくセットすると旋回性能の妨げになる事と、キャンバー角度変化が大きくなる事からキャスタの数値に制限がありました。
ダブルアクスルストラット化により、キャスタ角度はしっかりと確保しつつも、旋回性能は確保される様になりました。
旋回時にショックアブソーバの角度は微動だにさせず、切り込むことが可能な為にキャンバー変化が起きる事も皆無です。
コーナリング中に生じる、ステアリングキックバックを誘発しない事から、FR車の様な自然なステアリングフィールを生み出します。

リジッドメンバーによる、フレーム剛性向上も行いました。

ジョイントベアリングの組み換えを行い、アクスルのガタつきを拭い、ステアリング操作時の違和感を一掃。

折損していたフロントスプリングは、現在自社企画にて作成中のオリジナルスプリングを用いて組み換えを行いました。


各部の化粧直しも合わせて行いながら、一連の組み換えが完了です。
まだまだ施工する内容が盛り沢山ですが、ひとまず山を越えました。

お客様にはお待たせをしていますので、優先度を上げて進めて行きます。

Written by Hashimoto

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