ランチアデルタ は足回りのリファイン
ハイスペック・スタンダード・ダンパー
ハイスペック・スタンダード・ダンパーをランチアデルタに。
ワンオーナのデルタエヴォ2は、現在はKONIのスポーツダンパを装着中であります。
随分と長きに渡りご利用いただいたコニから、この度現代の主流であるハイスペックスタンダードダンパーに組み換えを行います。
走行距離は7万キロ台。
ワンオーナで32年の歳月が流れ、7万キロの走行距離は少ないと言えるでしょう。
この何年もの間、2年間で1000キロ程が増える今回のデルタ。
距離は少なくとも、唸り音とハンドルのガタが気になる状態に至っていました。
唸り音は、フロントのハブベアリング。
ハンドルに伝わる違和感は、ステアリングギヤボックスの一部 タイロッド のガタ。
これらも合わせて組み換えを行います。
以前より気になっていたのが、走行中のタイヤ回転周期に伴う「ゴリゴリ」とした唸り音。
フロントのハブベアリングに著しい劣化が生じていました。
無負荷状態での点検において、手で回す力のみでシャーッと勢い良く回ります。
判断としては、潤滑グリスの枯渇です。
潤滑されずにボールベアリングが回転を続けると、最終的には焼き付きを起こします。
ベアリングは左右ともに交換を行います。
抜き替えの際に固着が起きている事も懸念しましたが、スムーズに作業は完了。
KONIダンパーと、ハイスペックスタンダードダンパー、最も大きな違いは正立と倒立でしょうか。
正立式は、シリンダがストラットハウジング内に収まり、倒立式は逆転し表に露出します。
これにより、ショクアブソーバの重量物が下では無く上に配置することが出来るためバネ下重量の軽減に繋がります。
持ち比べてみると、その差は歴然。正立はブラケット側に重量が集中し、倒立式は上側が重たい。
これにより、サスペンションの上下動の際に慣性力が生まれ辛くなります。
リヤ側もストラット式であるのが、ランチアデルタ インテグラーレがスペシャルなマシンである事を象徴しています。
本来はFFハッチバックでありながら、ホモロゲ獲得の為に様々な構造変化を行い世に送り出されています。
ガタツキの多かったタイロッドの組み換えを行い、組み付けの仕上げを進めます。
Written by Hashimoto