プジョー106 1.3ラリーシリンダヘッドのオーバーホール

最近はとにかくエンジン内部を整備する機会が多いです。

今年に入ってからすでに4台のエンジンに手をかけています。
なかなかのハイペースです。

今回は106 1.3ラリーです。
小排気量・高回転型エンジンの代名詞です。
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とにかくこのテンサンラリーのエンジンときたら、決して速くは無いのですが
回す気持ちよさを存分に味わえるエンジンでして。
私の大好きなエンジンのひとつです。

ノイジーなメカニカルノイズと共に、アドレナリンが放出され、気づけば7千回転手前という
乗り方が正解ともいえるこの名器。
今回は、オイル漏れ修理と合わせてヘッドを組み上げます。

分解前のこの状態。
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タイミングベルトがタラッタラに緩んでいました。
もし今回の車検で点検していなければと思うと。。。ぞっとします。

作業性が良いため、ヘッドが降りるまでの時間は短いです。
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ここが106の弱点でもある、オイルラインからのガスケット抜けです。
ここから漏れたオイルは、下側につたい、オルタネータ辺りがベタベタになります。
配線をまとめるコルゲートがオイルまみれの場合は、要注意です。

降ろしたヘッドや、分解部品
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同時進行で施工する箇所も点検します。
オルタネータの配線は、経年劣化とエキマニからの熱害により、ひどい状態でした。
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ラジエタの水漏れも有りましたので、この際に交換します。
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ラジエタと、シリンダヘッドが無くなった状態のガランとしたエンジンルーム
せっかくですので、一度車をリフトから押し出し、綺麗に洗浄します。
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施工前

 

施工後
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ご覧の通り、めちゃくちゃ綺麗になりました。
こうなると作業性も上がり、なによりも組み付ける時の気持ちも上がります。

今まで誇りと水垢で黒ずんでいた箇所が艶やかな白色に変化しました。
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水回りもこの機会に樹脂パーツを交換します。
この部品、近々生産終了になりそうです。
今回、交換できて良かったです。
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当然、ウォータポンプも交換ですよね。
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1.3ラリーを気持ち良く走らせるための、自分の作業ルールがこれです。
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ガスケットに対して、ポートサイズが異なります。
これは、ヘッド側とインマニ側双方に発生しています。

この形状差を、合わせていきます。
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手作業で削ります。
ポートを大きくすると言う意識でも、研磨でピカピカにするでも無く、あくまで形状合わせです。

非常に地味な作業ですが、この作業が覿面に効果が現れるのは1.3ラリーが一番かも知れません。
吸気干渉の妨げを無くし、綺麗に空気が流れるだけで、スムーズに回るエンジンに仕上がります。

ちなみに、ここに用いるガスケット(紙製)は生産終了です。
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なので、今回は数台分のみレーザーカットで製作しています。
純正よりは少しお高くなりますが、手作業で切り出したガタガタの物よりは全然良いです。

この後は、集中し一気に組み上げたので写真がありません。

完成後、試運転で軽快に回るエンジンに復活しました。

アクセル開度に合わせてリニアについてくるエンジンに仕上がっています。
めちゃくちゃ楽しい車ですので、旧い車両ですが、ご興味のある方はご相談下さい。

バリッと仕上げた1.3ラリーをご用意しますよ。
(実はベース車両を複数台潜ませています。)

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