プジョーRCZ エンジン出力不足の原因は..
ステージ3メンテナンスで分かる事


点検整備でお預かりしているRCZは、ステージ3メンテナンスを主の作業としての初回整備をご依頼いただきました。オイル消費が課題の軸となっているお車ですが、合わせて発覚したのがエンジンの出力不足についてです。これは、整備開始前のシャーシダイナモ測定において確認できたことです。

路上テストにおいては、ピークパワーのフィーリングを確認することはできませんので、ダイナモの結果はその車の基本性能を知るうえで非常に参考になります。

出力の不足についての主な原因は、過給圧が正常にかからない事にありました。原因は色々と考えられますが、ひとつひとつの作動や、制御を確認する中で明らかな不具合を確認できました。

画像は、ブーストコントロールバルブを取り外したダイヤフラム側です。ダイヤフラム部を保護する樹脂部品が割れてしまい、無くなっています。これにより、タービン内部にダイヤフラムが引き込まれブースト制御機能を失っていることが分かりました。ダイヤフラムの破損・破れを噂では聞いたことがありましたが、今回の事例は初めての発見です。


無くなってしまった樹脂部分がどこに行ったかは探りようがありませんが、タービンは無事であることが確認できたのでひとまず安心です。

一通りの作業を終え、ダイナモ測定を行うと驚くほどの性能復帰が確認できました。

今回は、オートマチックフルードを入念に交換した甲斐もあり、ダイナモ上での変速時の伝達効率も損失が無くなり、パワーロスを感じないスムーズな変速が出来るようになりました。ターボ車の本領を発揮し、存分に楽しめそして乗りやすい結果をご提供でき安心です。

この後のメンテナンスプランもご提案し、今回の整備を締めくくります。

Written by Hashimoto

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