プジョー106 車検作業開始の前に気になる箇所を点検

106の車検整備でお預かりをさせて頂きました。点検作業の中で気になる事が見つかり、先ずはそちらの波及状況の確認から着手しようと思います。
106の弱点でもある、リヤサスペンション構造の中のスイングアーム内部にガタつきが発生しています。この状況はなかなかの重症かもしれません。

内部のシャフトに波及が無いか、ベアリング交換のみで対処が可能か、色々な事を確認すべく分解を行いました。

スイングアームを取り外し、クロスメンバーシャフトを確認すると。。
やはりアームシャフトにもダメージが及んでいます。現在のクロスメンバーのリペアパーツが欠品している事もあり、今回は応急的に少しでも良くなる様な対処としてベアリング交換を行ってみます。

スイングアーム内部のベアリングは「ズタボロ」な状態になっていました。潤滑不足から、ベアリングがすり減っています。ガタの主な原因はベアリングの消耗ですね。

ベアリングの組み換えを行い、クロスメンバーシャフトもある程度の表面清掃を行います。

右側は、スタビライザエンドプレートを固定するねじ山がに損傷が有り、ボルトが欠落していましたので、そちらも合わせての修理を行います。

各部を組付け、ガタの確認を行うと。
気になる症状はほぼ緩和されました。改めての大きな修理は必要になりますが、先ずはこれで当分の間は大丈夫でしょう。

点検に合わせて行う、SDLテストにより問題の有った左側のリヤサスペンションは路面粘着率が下がっていました。リヤショックアブソーバを交換する予定でしたが、スイングアームのリペア後はその症状も改善されています。

点検の手順からの予測、今回の対処、全てがうまく行きました。
安心して作業を進行出来そうです。

106は予防的にスイングアーム内部を点検した方が良さそうですね。簡易的なグリスアップや、早期のベアリング交換を行う事で大きな修理を回避できます。
Written by Hashimoto

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