あれま!?結構ズレてるぞ
連続するタイミングベルト交換、今回はルーテシア3RSです。
どんなエンジンにも、ベルト交換の際にはSSTが必要になります。
SSTがある事で、交換前のカムタイミングが正しいのかどうか、の判別が可能になります。
アバルトのエンジンがずれている事が先ず無いのは、ベルトで駆動するカムシャフトが1本だからです。
一般的なDOHCエンジンは、カム2本をベルトで駆動する為に慎重な確認作業が必要になります。
特に、NAのハイパワーエンジンではこのカムタイミングの微量なズレが、エンジン性能の低下に直結する為なおさら重要な作業です。
ピストンの位置を正しく検出し、その際のカムシャフト位置が正規の位置にあるかどうかを確認します。
カムエンドに、SSTをセットする為にツールをあてがうと、うまくツールの勘合が出来ません。
調べてみると、エキゾースト側のカムシャフトが反時計回りにずれている模様です。
組付け時に、タイミングの適正化を行う事を念頭に置き各部の組み替えを行います。
軽量クランクプーリはF4エンジンの性能を引出す格好のアイテム。
過去に装着済ですのでほこり汚れを洗浄し、セットします。
エキゾーストプーリのセット位置を補正し、SSTによる最適化を施行。
かなり減っていたスパークプラグ。
中心電極のエッジが無くなっているのがよく分かります。
プラグギャップが拡がり、着火性能が著しく低下します。
2万キロスパンでの交換を推奨しています。
今回のルーテシアは、出力低下を気にされていました。
他にも原因が潜んでいそうですので、それについては改めてのご紹介を。
Written by Hashimoto