アナログな点火システムをエンジンアナライザで整備


キャブレターが備わるエンジンには、点火システムにディストリビュータが装着されている事が多く、その中にはコンタクトポイントやコンデンサが組み込まれています。今時の車はこの様な点火システムは排除され点カシステムにおいてはほぼメンテナンスフリーとなりました。
今回は、定期的に交換と調整の必要なディストリビュータのメンテナンスを行います。

BOSCHのエンジンアナライザという設備を使用し、メンテナンス前の点火システムの状態をチェックしています。
エンジンアナライザによる点火システムの診断の中で優れている点の1つとして、オシロスコープによる点火2次側の状態を確認出来る事が上げられます。
点火2次とは、スパークプラグに飛ぶ火花の状況を見る事を意味します。スパークプラグに飛ぶ火花の長さや、その火花を作るのにどれだけの電力を必要とするかなど色々な事が把握出来ます。

作業前のオシロスコープ画面から見えてくるのは、ポイントギャップの異常です。ポイントの通電時間が非常に長い事が分かります。
今度は別の画面でその状況を数値で確認します。
70.8° これはドエルアングルという数値を確認しています。
ドエルアングルが70°
4気筒のエンジンの場合ここの理想度数は54°が正解です。
ドエルという言葉は静まるや安性となるのですが、ポイントでいうドエルとはポイントが閉じている時間や度数となります。
ドエルアングルが多い=ポイントギャップが狭い。という事になります。

これが上記の際のポイントです。

画像は、ポイントが最も開く際を撮影しているのですが、はっきり言って殆ど開いていません。

こうなると、低回転時に力不足となり、非常に走り辛いエンジンになってしまいます。

ポイントギャップが狂うと、点火タイミングも狂いが生じます。

測定値は、上死点前では無く上死点後に点火する位に狂いが生じていました。

というわけで、ポイント・コンデンサ・キャップ・ロータを交換します。

こちらが交換後のポイントギャップです。しっかりと接点が開いているのが確認出来ます。
整備書などにはここの数値をシクネスゲージで何ミリに調整となるのですが、シクネスゲージでは無くエンジンアナライザで最も理想とされる数値へと調整します。

60.2%と表示されています。
先程はアングル表示でしたが、今回はパーセントで表示しています。
60%=54°という解釈になります。
ポイントギャップが0.1mm変わるだけで、ここの数値に大きな変化が出て来ます。

目視や、ゲージでは正確な調整値に導くのはほぼ不可能と言えます。

調整後は、点火タイミングは上死点前9°となりました。

この後、進角度数の点検・調整も行い、路上テストを行います。

アナログな車こそ、正確な数値を得るために最適な診断機を使い、整備を行います。
当社が点火システムに拘り続けるのには、この様な時代を通過した事が大きいと思います。

Written by Hashimoto