308GTiのメンテナンス続編
予防整備を兼ねて各部をリファイン


380mmアルコンブレーキのメンテナンスを終え、何かと入用で進行が遅れていた308の作業を再開しています。1.6ターボ(テンロクターボ)車はトラブルの起きやすい個所が多く、予防的にメンテナンスを行う事で不意のトラブルを防ぐことが出来ます。今回の308は、幸いにもこれまでそのような事態に見舞われておらず、これから考えられる事に先手を打って整備を行う事にしました。

樹脂部品を多用した部品構成は、メーカーの思いと裏腹に耐久性が乏しく、劣化による破損が懸念される個所がいくつか存在します。
代表的なのは、エンジン冷却系統のサーモスタットでしょうか。ここは、突然の樹脂破損により水漏れが発生する場所です。

サーモスタットを取り外すには、結構な分解も必要です。周辺構造物にも樹脂の部品が多く備わり、ボルトナット式の固定方法がいかに効率的かを痛感しながら分解しています。

サーモスタットと聞くと、水温管理のバルブなのですが、バルブの一言では締めくくれない程に多機能さを備えています。一か所に6本のホースが入る構造になっており、とても複雑です。放熱性の悪い個所に装着されている為、破損しやすいのはその悪環境が原因の一つとも言えます。

水回りの整備で忘れてはいけないのが、サーモスタットの反対側に位置するウォータポンプと、そこに付くプーリーも要注意です。


今回取り外したウォータポンプは対策済みの製品が既に装着済みでした。初期の製品はポンプも樹脂製です。対策品はアルミ製に変わっています。とはいっても過去に交換歴があるという事ではなく、新車時からの物でした。やはり樹脂部品には問題がついて回るのですね。
ウォータポンプのプーリは外周にラバーが巻かれており、そのラバー層には画像の様にひび割れが発生します。駆動ロスを減らすためプーリの健康状態は重要です。

ここまでの走行距離8万キロを越えていますが、何も起きなかったのは運が良かったという表現が正しいのかもしれません。

その他の整備個所もこの後スムーズに進行できそうです。

Written by Hashimoto

関連記事