ツインエアーはバルブタイミングの調整と
クラッチ機構の整備進行中


タイミングチェーン交換作業を進めているツインエアー・チンクです。
ある程度の山を越え、折り返し地点を通過したあたりです。

ツインエアーエンジンは、クランクシャフトのプーリーと、スプロケット・クランクシャフト 3点が全て位置決めがされておらず、うかつにクランクプーリのセンターボルトを緩めると大変な事になるという噂は同業者の方からも伺っていました。
今回の様に分解~調整~組み付けの一連作業を行う事で、何がどういう事なのかがよ~く分かりました。(T社H様情報提供をありがとうございます。)

クランクに2箇所・カムに1箇所・プラグホールと合計4点のSSTを用いて、タイミングの位置出し~最終締め付けを行う必要があります。
クランクプーリは、点火信号検出用のチョッパーが備わるものの、位置決めはされておらずどこでも締め付けることが出来てしまう設計でした。

クランクセンサーと、チョッパーの位置関係を最終的にどこに設定するか。2度~3度の微調整は可能な様に感じました。考えてみると凄い設計です。

トランスミッションの外側から、フライホイールをロックする事でクランクシャフトの位置を固定します。

逆側のプーリも位置決めピンを差し込みます。

カムシャフトには専用の位置決めツールをセットします。

マルチエアーユニット上部に取り付けられている、オイルフィルターも交換しました。

インテークバルブの目視確認が可能でしたので、外部から観察。非常に綺麗です。この感じならば燃焼室も綺麗だと判断出来ます。
ユーザー様のオイル管理が行き届いていたのでしょう。

クラッチコントロールの部品は、消耗が激しかったです。
デュアルロジックアクチュエータの、クラッチプッシュロッドが押し込む部分(レリーズレバーの球面)は金属同士の擦れ合いにより、段差が出来る程の消耗を確認。クラッチ調整の微量な数値判断のうえで非常に大切な部分です。

汚れて真っ黒になっていたトランスミッションと、クラッチハウジングは見違える程綺麗になりました。

この後、エンジンにミッションを取付け、周辺機器の組み付けを進めて行きます。
Written by Hashimoto

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