デルタのシフトチェンジ機構は惚れる構造


駆動系作業を進行中のランチア・デルタの作業中に、惚れてしまうメカニズムを久々に拝見しました。

冒頭画像は、デルタのミッション上側に組み込まれている部品です。
室内でシフトレバーを操作すると、最終的にこのメカニズムがミッションの内部を操作します。


この構造、とても製造コストが掛かっていて、更には簡単には壊れない機構です。
室内のレバーからはほぼダイレクトにこのメカニズムと直結になっている事も、余分な遊びを無くす・ダイレクトに操作する。ラリーシーンでのリンケージ脱落などを予防するための機構ですね。
流石はイタリアン・ラリー・レジェンド。

この構造、イギリス代表のラリー・レジェンドも同様の機構を備えています。
なので、この機構を見たとき、オールドミニのコントロールボックス先端の構造を連想しました。ほぼ同じです。
オールドミニのマーク1~マーク3までのクーパー系とクラブマン1275、カントリーマン・トラベラーの1000ccモデルにのみ備わる贅沢な機構です。

実際の作動はこの様に動きます。


クラッチ機構を組替えて、ミッション側にも潤滑を行い、搭載作業を進めていきます。
デルタを始め、アルファのV6にも搭載されるこのタイプのクラッチはプッシュ型では無く、プル型となり、クラッチを切る際にカバーを引っ張る方向へ力を掛けることでクラッチ接続が遮断されます。
私たちの中では珍しい構造となります。
色々なメカニズムに触れられて幸せです。

Written by Hashimoto

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