グランデプント・アバルトの足回り変更「手直し・味付け」を盛り込んで

おかげさまで多種多様な作業のご相談・ご依頼を頂く当社ですが、最近私個人がどはまりしている
内容は、サスペンションについてとことん考える・試す・手直す・走る・試す・走る・といった本気で
足回りに向き合うことです。

そんな中で何よりも大切にしたいのは、エゴな物造りとご提案ではなく、お客様の目線での企画とご提案
そして実践です。

どんな内容を求めらるのか、希望内容がコスト範囲内で可能なのか、ご提案内容に誤りが無いか、
といったようにあらゆる角度から考え、最終的な形にしていく事を念頭に置いています。

特に足回りはbefore.afterの結果が明確なだけに、形になった際の満足感も大きいので「やり甲斐」
を感じる作業でもあります。

最大のお勧めは、ニーズに合わせたワンオフ、ここに尽きます。
city.sport.circuitと、さまざまなシーンに合わせた仕様に仕立て尽くした逸品の質感の高さは
すばらしいです。

なのですが、すべての方にその手法が当てはまるというわけにはいかず、ケースバイ・ケースあらゆる
引き出しからご提案をさせて頂いています。

今回の内容も、なかなか面白い内容でのご提供をさせて頂きました。

車両はグランデプント・アバルト・エッセエッセです。
IMG_1585
当社のサイトに何度か登場した、スリットフェンダーがアクセントなプントです。
IMG_1583
ハンドメイド・エッジがキレッキレなフェンダーです。

これまで装着していたサスペンションを脱ぎ捨て、ビルシュタイン製に変更します。
IMG_1556
ザックスダンパーにローダウンスプリングの組み合わせで1年楽しまれましたので
今回はビルシュタインに変更します。
IMG_1557 IMG_1558
分解前に、現状のストローク各種を測定してみました。
バンプ・1G・リバウンド、これらのストローク数値はサスペンションを考える上で必要不可欠な
数値となります。

ビルシュタインのB14を素材として使用します。
IMG_1575
あくまで素材としての仕様です。
先ほどのストローク数値の測定をB14でも行いました。
算出数値に基づき、お客様の求められる理想系に近づけるにはどうすれば良いのか?
ここを真剣に考えます。
ある程度の基本式に当てはめ、B14のダンパーを用いながら、より一層のFUN to DRIVE
を実現すべくチューニングを施します。

1度目の組み付けで、納得のいかない内容に陥ったため、再度の分解を行いました。
それは、ダンパーストローク量の限界点が低すぎる事が原因です。

ですので、アウターケースから内部のダンパーを取り出しました。
IMG_1573
一般的なファクトリーではここまではやらない・やれないのが現状です。
大切なのは、事務的ではなく、探究心です。
(画像にあるヘルパースプリングは最終的には無しとなっています)

自分の納得の行かない結果に、お客様が納得するとは思えません。
「やれる限りはやる」モットーです。

社内の旋盤で、ダンパーのショート加工・ストローク増加を行います。
それにより、ダンパートップ形状を変更しました。
IMG_1564
上側:befor
下側:after
約30ミリのストローク増量です。
こうする事で、何が起きてもバンプタッチする事はなくなります。

もともとB14にはブルーのスプリングが標準装備されますが、それらを今回は使用しません。
前後ともに、算出したレート・レングスのスプリングに変更します。
ハイパコと言うメーカの物を用いる場合と、アイバッハを用いる場合と、色々です。

今回は理想サイズがアイバッハ製で国内在庫が確保できたのでアイバッハを使用しています。

リヤ側も加工しています。
IMG_1561
手に持つ部品はアジャスタです。
B14をそのまま、ブルーのスプリングで使用する場合は直巻きスプリングでは無い
為、アジャスタは寸法の都合上上側に取り付けます。

ですが今回はIDの細い直巻きを使用するため、下側に取り付ける必要があります。
IMG_1562
そのままでは装着が不可能なため、ちょとした加工を施し、下側に装着出来るようにしました。
IMG_1560
気持ちよく収まっています。

今回のバネレート・レングスは計算により算出していますが、まさに狙い通りの車高が
得られました。

全長調正式ダンパーでは無い為、レート計算は非常に重要な項目となります。
硬すぎ・長すぎは車高がぼよ~んと高くなります。

プリロードが自然な状態で、理想車高を実現しました。
IMG_1582
フェンダーに貼り付けたマスキングテープはメモ書きで埋まっていきます。

コーナウェイトも揃い、数値的も納得できる結果になりました。
IMG_1579 IMG_1580

ダンパーの減衰の限界を感じますが、適正レート化によりかなりのレベルまでは
実現できました。
ここに質感をプラスするには、やはりダンパーの新規作成が必要となりそうです。

これまでのサスペンションと比較すると、加減速・コーナリング・全てにおいて
性能が向上した!っとお客様からのフィードバックを頂き一安心です。

今のサスペンションの味付けを変更したい!や、新規で企画を頼みたい!
などのように、どうしてよいのか分からない話しも一度ご相談ください。

コストはかかりますが、変化を体感できる結果をご提供します。

関連記事