ご新規様のアバルトは初診点検を行っています


今年の夏頃に初の車検を控える、ご新規様のアバルト595は、この先に控える必要整備の調査を進めています。

新車から3年目。走行距離は4万キロを越えたあたり。
乗るペースとしては、少し多目であるかもしれません。
国産車ならば、どうって事の無い距離と年数だと思いますが、欧州車はメンテナンスフリーではありませんので、色々と見えてくる事がありました。
とは言っても、致命的な欠陥があるわけではありませんよ。

点検内容は多岐に渡ります。
複数のテスタを用いて、結果を数値化しながら、実際の試運転や目視点検も織り交ぜて進行します。
数値化のメリットはずばり「ご説明時の分かり易さが桁違いによくなる事」でしょうか。
車に対して、感じる事を感覚的に掴む事。これが大切であるのは今も昔も変りません。
時代は進化しており、車の性能も向上しています。
診断するテスター類も進化しています。
これらを融合し、総合診断を行う事で間違いの無い結果をご提供出来ると確信しています。

例えばタイヤやブレーキの診断。
冒頭画像の様に、便利なテスターが存在します。
「レーザーエグザミナ」というテスタです。
レーザーの光で、タイヤの残り溝を測定します。
「眼で見ればわかるやん」という声も聞こえますが、大切なのはお客様に伝わるかどうかです。

ディスクロータへの使用では、消耗量が何ミリなのかを数値に現わします。

サスペンションを社外製品に変更済のアバルトでした。
BOSCH SDLテストでは、減衰機能は問題無いことが既に判明しています。
ですが、リフトアップして目視点検を行うと「右フロントは大量にオイルが漏れていました」。

ここがポイントでして、BOSCHのSDLテストにより、減衰機能に乱れが生じていない事は結果として出ています。
ですので、安全面では現在のところ阻害していないと言えます。
ですが、早めに手を打ちたい案件です。

気持ち良く車高が下がっているアバルトでした。
でも、リヤのバンプストップラバーは、純正品がそのまま装着されています。

これでは、常時バンプストップラバーが当たっているはず。乗り心地は。。?悪くなりますよね。

リヤのダンパーの内部を確認すると、ブーツの中にバンプラバーが入っていました。

私なら、装着時に純正のバンプラバーを別の物に変更するか、ストロークを測ったうえで純正品を撤去することも視野に入れます。

ブレーキフルードは、良い状態でした。
もしかすると、3年間未交換ではないか?とも疑ったのですが、きちんと交換されていた様です。失礼しました。

フルードテスタは、フルードに含まれる水分を吸湿量として表示します。
極端な例ですが、テスターを水に浸すと、こういう結果が表示されます。
インジゲータがレッドゾーンまで振り切りですね。

クーラントタンクの上面には、結晶化の痕跡を確認済です。
結晶化し易いクーラントと、そうで無いクーラントが世の中には存在します。

結晶化の原因は、熱に晒されると起きやすいとされています。

タイミングベルトカバーの中も簡易的にチェック。
とても分かりづらいですが、後期型のベルトが装着されている事が分かりました。

後期型は、耐久性が高くなっている事が特徴です。見慣れていれば前期・後期の違いは直ぐに判断がつきます。

最近の車に用いられる樹脂・ゴムの素材は要注意です。
ご覧の様に、ブローバイラインのラバーホースは裂けていました。

スパークプラグとエアエレメントのコンディションは良かったです。

「さて、問題です。この中に間違いがひとつ紛れています。よ~く見ると分かるかも?(スマホではおそらく分からないかな)」

回答は、記事の最後にご紹介します。

BOSCH FSAテスタによる、エンジンの健康度・電気の健康度をテスタに備わる機能を使って診断しています。

不具合が起きる前から、しっかりと基本的な事を基本に忠実に点検を行う事。これこそが一番大切な事です。

電気の流れは、改善による最適化が必要でした。
これは、電圧ロスの有無により判断をしています。

多くのイタリア・フランス車には電圧ロスが標準装備されています。
日本の車は思いのほかロスが少ない事が特徴です。

さて、先程の回答は?皆様分かりましたか?

コレコレ!シリンダヘッド上面のアースポイント。
なんと緩んでいました。
このアースはとても重要でして、断線状態になるとエンジンが始動しない・もしくは、チェックランプが点灯します。
この部分の消費電力は大きく、エンジン始動時にアースを浮かせたり、繋げたりすると小さなスパークを発生します。

いままで、かろうじてアースに繋がっていたのでしょうね。なんら問題は無く走れていたそうです。
スクリュは、緩みが生じると振動によりドンドン緩みます。締まることはありません。
断線状態になるのは時間の問題であったはず。見つけられて良かったです。

広く色々な箇所を見させて頂きました。これらを基に初回整備についてのプランを作成します。
「10年後も、元気に走り回り、その先もずっと乗りたい!!」そう思って頂ける様な維持管理を得意としています。
Written by Hashimoto

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