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工場通信

プジョー106S16 エンジンオイル乳化現象の修理をはじめました

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お預かり期間が非常に長引いてしまっている106S16の修理にようやく着手しています。
お待たせしているお客様、すみません!

現在の入庫車両の中で、担当する車両の作業が部品待ちになりまして、一瞬の隙間を
作りました。
その隙間に106を開始する事に。

そもそも、こんなに長引く予定では無かったのですよ。
とっくの昔に納車して、前回のラテンフェスタも走っているはずだったのですが。。。

エンジンオイルを交換しようと、オイルを抜いてビックリ。。
「めっちゃ乳化してるやん。。」
(エンジンオイルに、冷却水が混じり、カフェオレ状態になる事です。)

修理には時間が掛かるので、整理券を配布させて頂きました。

そんなこんなで、ようやく順番となり、着手する事に。
まずは、機械的な不具合を判断すべく、色々な診断方法にて潜む原因を探っていきます。
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コンプレッションロステスタで、圧縮上死点状態のシリンダ内にエアーを送り込みます。
ヘッドガスケットに異常が発していないかを確認するためです。
(乳化現象のようなトラブルにはあまり効き目は無いと分かってはいるのですが念の為)

ラジエタ内に一定圧力のエアーを送り込み、冷却ラインを加圧します。
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普段は冷却水の漏れを発見するために用いる診断ですが、外部に水が漏れず
冷却水が減るかどうか?を確認しています。

ここまでの診断では、特にこれといった発見が無く、クーラントチェンジャを用いて
クーラントを回収する事に。

ようやくほんの少しですが、手がかりを掴みました。
クーラントチェンジャは、冷却ラインを真空状態にし、エンジンを暖気状態にする事で沸点が下がるため
ボコボコと低音沸騰したクーラントを回収していくという原理です。

ですので、クーラントラインが密閉状態であれば真空にならなければいけないのですが。
どうも完全真空にならず、回収後も回収機内の水にボコボコとエアーが混入しています。

おそらく、シリンダヘッドガスケットの水路と、オイルリターン部が繋がっているものと判断できます。

エンジンオイルに水が混入する場合、以下の事を参考に考えます。

オイルプレッシャの圧力は、冷却ラインの圧力よりも高いため、その箇所で繋がった場合
ラジエタラインへオイルが流出します。

上記の理由から、水冷式オイルクーラである可能性は無くなります。
水冷式オイルクーラの場合、油圧を保ったオイルが通過します。
オイルクーラーが悪い場合:油圧>水圧=冷却ラインの乳化

ヘッドに1箇所のみ存在するオイルプレッシャラインと水路が繋がった場合も
油圧>水圧=冷却ラインの乳化 こうなります。

おそらく今回は、無数に設けられた水路と、オイルリターンホールがガスケットの不具合で
繋がったもの。と考えるのが正しくなります。

っと、いうわけですので、シリンダヘッドを外します。
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旧式?社外品?のガスケットが装着されていました。
このガスケットの場合、油圧ラインのシールが剥離しますので、ヘッドの隅っこからオイルが
漏れてくる事態が発生しやすいです。
実際に、ゴムシールは剥離していました。
オイル漏れが起きていなかったのが不思議なくらいです。

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怪しい箇所その1

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怪しい箇所その2

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怪しい箇所その3

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その1の場所ですが、ここが怪しく思えます。

この後、ヘッド分解・洗浄・点検を行い、機械加工により修理に移ります。