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工場通信

電圧ロスを眼で見る為のツールです

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超アナログなテスターです。
BOSCH VAメーターと言います。
VAとは、ボルト・アンペアを意味します。

アナログメータには電圧と電流を表示するのですが、普通の電圧計の表示とは異なります。

電気回路には、電気を無駄にしてしまう箇所が存在する場合がありまして、それを電圧ロスと呼んでいます。

VAメータの電圧計は、測定対象箇所に何ボルトの電圧差(ロス)が発生しているかを表示することができます。

今回、あえてこのテスタを使ってみました。
使わなくても判断が可能な状況ですが、電圧ロスとは何なのかを見るには非常に良い例です。
まずは画像解説をどうぞ。

右側のテールランプが正常に点灯しません。
スモールランプを点灯させると、ぼんやりと20%位の光量で発光します。
合せて、その下側のウィンカーバルブがウィンカー作動をしていないのに、ぼんやりと点灯しています。
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この状況の時に、テールランプ基板のアースと、ボディアースの間には電圧ロスが発生していることがわかりました。
意外と認識されていないのが、電気回路のプラスとマイナスの関係。
プラスには電圧がかかっていて、マイナスには電圧はかかっていないと思っている方多くないですか?

違うんですよ。
電気回路のどこでも良いので検電器を色々と当ててみて下さい。
探る方法はこうです。

検電器のアースクリップをボディアースに
検電器の先端をプラス回路に
この時、検電器は電圧を感知するので「ピー」音が発生します。
コレ当然です。

では、これはどうでしょう?
同じくアースクリップをボディアースに
検電器の先端をマイナス回路に
対象となる電気のスイッチを入れてみて下さい。
「ピー」音が出ましたよね?

対象となるスイッチが電球をオン状態にした場合、電球が点灯したら電気の流れはそこで終了と
思う事があるみたいなんですよ。

では無くて、ボディーアースに到達するまではそのプラスの電圧は続いているのです。

前置き長いですね。
その状態の電圧ロスを、先程のテールランプ基板上で表示させてみます。
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レンジは16Vレンジですので、読み取り値は「9.2V」です。
アースの不足で、電気が無駄に消費しているのです。
9.2Vの電圧ロスがあるという事は、先程の電球は車両電圧が12.6Vであれば3.4Vで光っているという事です。
無駄な電気はどこで消費されているでしょうか?

正解は。ココです。
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基板側の真ん中の端子
車両側の真ん中の端子
基板側は、熱で樹脂が溶けて、奥に埋まっています。
車両側は、メス端子が熱で開いてしまっています。よく見ると白い樹脂は少し焦げています。
つまり、電圧ロスとは最初は軽い接触不良から始まり、それが結果として大きなトラブルに発展していくのです。

ご覧の様に電球さえうまく点灯させる事ができなくなりました。
電気。。怖いですね。

そこで、アース回路を別にバイパスさせてみましょう。
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パキッと正常点灯しました。

VAメータの示す数値も変化が出ましたよ。
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これが電圧ロス、そして対策です。
一連の流れを動画にも撮りました。

スモールランプ・ハザードランプを点灯させています。
左側はしっかりと点灯しているのですが、右側は薄暗いですね。

そして、VAメータでの表示

薄暗くアース不良を抱えた点灯状態から、バイパスアースを取付てしっかりと点灯するまでが表示されています。

これぞアーシングですよね。

電球というのは、凄く分かりやすい電気の流れなのです。
だって目に見えない電気の流れが見えるんですから。
でも、車をとりまく電気環境は殆どが眼には見えない流れの塊です。
潜む電圧ロスを、車が新しい・若いうちから最適化しておく事で、マイナートラブルは確実に減らせるのです。

その電気の整備が、当社のイチオシ整備 ステージ1メンテナンス なのですよ。

たかが基盤のアース不良を長時間かけて説明しましたが、意外に分かりやすい電気の話だったのでは無いでしょうか?