クラシックボッシュの併用でステージ1の施工


クラッチ系統の作業が一段落した106S16です。
続いては、ステージ1メンテナンスの施工となります。
先日ご紹介した、クラシックボッシュ整備機器「VAメータ」を用いて施工前の電圧ロスを確認します。

そもそもステージ1メンテナンスとは、どんな車にも存在する電圧ロスを解消する為の作業です。

電圧ロスというのは、電気負荷が発生している際には、多くの電流が配線内を流れます。
流れる電流値が増えるにつれて、配線抵抗や接続抵抗の増えたは発熱し電気の流れにくい状態になります。
そうなると、発電機の仕事量をバッテリに伝達し辛くなます。結果的に充電量が減り、バッテリが早期劣化するだけでは無く
各部へ供給電圧が下がり悪循環となります。

VAメータの主力機能、任意の擬似的負荷を車両側に与えていきます。

今の状態は、オルタネータのB端子とバッテリターミナル+に、VAメータの配線を接続し、エンジンをアイドリング回転させています。
この時点で、B端子とバッテリターミナルの間に0.1Vの電圧ロスが発生しています。

35Aの電気負荷を与えると、電圧の差が広がり、0.3Vとなりました。

電気のながれにくい状況を再現する事で、見事にロスが浮き彫りになりました。

この様な状況を、配線や端子の改善で電気の流れやすい状態へとしていきます。

ステージ1メンテナンスで使用するメインケーブルと、純正ケーブルの太さの違いに注目です。
106のアースケーブルは、非常に細いケーブルですのでそこに劣化の状況が合わさると電気は流れにくくなる事がイメージ出来ますよね。

細いホースでは大量の放水に期待出来ないのと同じ事です。

バッテリに接続する端子も、純正はこころもとなく華奢な造りです。
それを真鍮製の接触面積の多い物へと変更します。

ケーブルと端子の圧着も、確実性の高い工具で組み付けます。

電動油圧圧着機です。
これにより、確実なカシメ作業が可能です。

これら一連の作業により、電圧ロスが改善されます。
電気の流れの良い状態の車は、電気的トラブルが発生しづらく、やはり調子が良いものです。

車の基本整備の第一歩として、ステージ1メンテナンスの施工をお勧めしています。

Written by Hashimoto

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