ルーテシアは冷却系統の修理と点検です


先日、急遽のオーバーヒートでレッカー引き取りを行ったルーテシアです。原因は、ラジエタを強制冷却するクーリングファンによるものでしたので交換する為各部を分解します。オーバーヒートをした際にクーラントタンクから水が噴き出したため、細かい所にLLCが飛散していて、清掃を兼ねて多めに分解しました。

クーリングファンに電気の流れを伝える接続カプラの状態を見てビックリです。ここまでの状態は初めて見ます。ファンが無理して回る為、電気コネクタが熱を持ち溶解しています。

外したクーリングファンを単体で回転させながら、電圧・電流・発熱を確認します。(そんなことやらずにさっさと換えればもっと速く終わるのですが..)

単体点検ですと、回らなかったファンも威勢よく回転しています。やっぱり熱が原因なのですね。車両装着状態で周囲温度が100度付近もしくはそれ以上になった際に、異常が発生します。

モータの回転部分の温度には大きく差が出ていました。
最高温度の個所で68度の表記です。この後70度を超えました。

新品のファンは、連続作動を続けてもご覧の48度です。また、発熱箇所も異なるのが分かります。交換前はモーター内部のみが異常に高温になっていますが、新品は全体的に発熱し、効率よく熱を発散出来ているのがわかります。これは、もしかするとモータ側に何らかの熱対策が施された可能性も高いです。

一通りの点検の後、ファンモータを本来の装着角度に正すと、モータの回転が止まりました。やはり内部での接触状況などが絡むことも分かりました。
何よりも異なるのは、単体作動している時のファンの回転音です。新品は物凄く元気に回る為、単体点検中も自ら発生する風圧でテスト台の上を左右に動いていました。

冷却効率も非常に良くなったものと予想できます。

真夏のトラブルを回避すべく、私たちも色々な点検を行っています。

Written by Hashimoto

 

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