ムルティプラ クラッチ系統の整備開始
リビルトフライホイールで作業もスムーズ


クラッチ交換の為にお預かりしていました ムルティプラ の作業に着手します。レリーズベアリングが使用限界を迎え、クラッチ操作の際に激しい異音を発していました。新車から未交換ですので、よく持ちこたえた方だと思います。

と、いうわけで各部の分解からスタートです。数年前に各部のメンテナンスをご依頼頂いたお車ですが、その後のお預かりは久しぶりです。エンジンルームも下回りも綺麗に洗浄を行ったのですが、全体的に埃っぽくなってしまいました。もう一度洗浄したい気持ちになります。メンテナンス以降、トラブルに見舞われることも無く過ごせたそうで嬉しい限りですが、それでも一年に一度は点検させて頂けると良いなと思うのが本音です。

クラッチハウジング中央部に取り付けられているのが、異音を発していたレリーズベアリングです。この後ミッションケースの洗浄を行い、レリーズ廻りの整備も行います。

取り外したクラッチディスクは1mmの消耗でした。クラッチディスクの1mm消耗はよくある消耗具合と言えます。

あらかじめ用意していたリビルト研磨済みのフライホイールに交換します。ムルティプラのクラッチ機構は車両重量と、排気量の割に容量が小さめでクラッチ及びフライホイールに無理が掛かりやすいものです。クラッチ操作時にジャダーを起こす個体は頻繁に遭遇しますので、そういう場合は交換では無く研磨がおすすめです。


クラッチディスクの当たり面・クラッチカバーの取り付け面を同じ分量研磨します。

ミッションケースを洗浄し、綺麗になったところでベアリングの交換やフォーク廻りの整備を進めます。レリーズフォークの清掃・グリス給油・レバー部のスプラインは勘合部にガタが発生しますので、今回はガタを止める為に加工して修正も行いました。


新品部品が簡単には手に入らなくなってきていますので、臨機応変な対応が必要です。

順調に組付けが進み、本日より試走を開始できそうです。

引き続き作業を進めます。

Written by Hashimoto

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