500TwinAirのエンジンマウント交換

フィアット500などに搭載される2気筒TwinAirエンジンはトコトコと独特な鼓動や振動を感じられ、他のエンジンでは嫌われる部分を個性として楽しみに変えてしまった素敵なパワーユニットだと思います。

しかし、大きな振動を絶妙にコントロールしているエンジンマウントやミッションマウントが劣化を起こすと一気に不快な振動となってしまう為、他のエンジン以上に管理が重要となります。

今回お預かりした500はエンジン始動時に「ゴト」っと大きな音と共に振動が伝わります。

リフトアップし確認すると、エンジン始動と共にエンジンが大きく揺れており、各マウントの劣化からくる異音と判断し、マウント3点の全数交換を行いました。

大きなエンジンマウントですが、新品と比べると軽く動き、劣化していることが明らかです。

こちらはエンジンロアマウント。今回の異音の一番の原因と思われる箇所で、完全に千切れており、エンジンが前後に大きく動く状態になっていました。

3点目はトランスミッションマウント。新旧比較すると、劣化により高さが変わってしまっている事も解ります。動きを見ても明らかに軽く動いてしまいます。

マウント交換の為にバッテリー周りを分解したついでに、サーモスタットの対策品への交換も行いました。

樹脂製ニップルをアルミ製に交換したオリジナルサーモスタットと、そこに繋がるワンタッチカプラーも劣化により折れて水漏れを起こす原因となりますので予防交換します。

サーモスタット交換時には、取り付け面に残った古いガスケットや汚れをしっかりと取り除き組付け。手を抜くと水漏れの原因となります。

各部を組付け、水漏れ確認の加圧テストを行ったらエンジンを始動し、新しい冷却水への交換を行います。

エンジンをかけながら行う作業ですが、作業前と比べると明らかに不快な振動は減り、エンジン始動時の大きな異音も消え、無事にトラブルも解消し作業完了です。

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