TWINGO RS エンジンチェックランプ点灯
原因は点火系統の不具合


このところの中古車市場での値上がりが目立つ  ルノー・トゥインゴ2 RS は、走行中の突如発したトラブルにより緊急入庫です。
エンジンの回転上昇やアイドリングに不具合を発すると同時に、チェックランプ(警告灯)の点灯という流れです。

症状から察するに、点火関連の不具合による特定シリンダのミスファイアが起きています。
診断テスタを接続すると、エラーコード P0300 からの P0303 と繋がり3番シリンダのミスファイアである事が確認できます。

エンジンECUがどのように不具合シリンダの特定をするのか?
エンジン回転を検知する クランク角センサーにより、4気筒エンジンの回転ムラを判断します。数回転の信号検知により不具合シリンダの特定へと繋がります。

この時に確認の必要な事は、エンジンに向かい合った際にどのシリンダが3番にあたるかです。
カーメーカーによりその位置づけは2種類あり、向かい合って左側(タイミングベルト側)が1番である場合と、右側(トランスミッション側)が1番である場合があります。
診断テスタの中の機能に、技術情報が掲載されていますからその情報を確認すると下図の様に 4321 とあります。
ルノーの場合はトランスミッション側が1番という事ですね。

3番シリンダのイグニッションコイルを取り外し、外傷的な不具合や湿気による影響が無いか目視確認します。

コイルのみならず、スパークプラグの不具合もあり得ますので、単体テストを施工します。

圧力試験においても、良質な火花を確認できますので異常は無しと判断できます。

もうひとつ疑うべき点は、インジェクションノズルの不具合です。
燃料噴射装置ですが、こちらの不具合はあからさまな断線や短絡が起きていない限りはECUは不具合の特定を出来ず、総じてミスファイアと評価されます。
ただ、手順的にノズルに疑いをかけるよりは点火システムの可能性が高い事から、コイルの交換を行います。

交換後には不具合は無くなり、正常作動を確認。
残留エラーを消去し、自己学習値をリセットし、試運転を行います。

分かりやすい不具合ですが、機材使用も合わせて最短・最善の修理が出来たと思います。

Written by Hashimoto

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