アバルト595は足廻りとブレーキ廻りのリファイン


ご新規様のお車、アバルト595は初診点検から始まり、プランのご提案・打ち合わせを経てお預かりをさせて頂いています。

中古車を購入され間もない状態のお車でした。
色々と手が入っている事が一目で分かる車です。

今回重点的に行う内容は、足廻りの手直しとブレーキ関連の整備です。
融雪材の影響からか、サスペンションには多くの錆が付着していることも気になりました。
車高調整式のサスペンションが組付けられていますが、乗り味と改善とダンパー性能を引出す為の手直しが必要と判断しました。


フロントストラットやハブ廻り・ブレーキ・リヤトーションビーム、あらゆる箇所が錆びています。

錆びると、ボルトの取り外しに難航する事が懸念されまますので、慎重に作業を進めて行きます。

先ずはフロント廻りの作業より開始しています。
KW バージョン1 サスペンションキットが装着済でした。
錆びたスプリング・潰れきっていたヘルパースプリング、劣化したアッパーマウント。これらを改善し、現在の部品の大幅な変更は行わずに良い方向へ向かうための手直しを行います。

分解と同時に、パーツ単体での洗浄を行っていますので既にとても綺麗になっています。

フロントスプリングは、レートと自由長を変更します。
手前に置いた錆びたスプリングから、奥側のオレンジ色のスプリングに変更します。
これにより、ヘルパースプリングは使用する事無く、無理の無い調整で車高の確保も可能になります。
これらの組み合わせに、アッパーマウントはオリジナルのスフェリカルマウントにより剛性を上げて、無駄な動きを排除する事でダンパーの持つ性能を引出します。

ロワアームに組まれていたブッシュを、自社製のオリジナルブッシュに組替えます。

ポリウレタンブッシュは、素材の硬さにもよりますが、思った程固くなく、ストリートユースなタイプを選択すると期待するほどの強度を得られないことは多いです。
一層硬いブッシュを選択すると、カッパーペーストによる定期的な潤滑を行わないと稼働時の音が出てしまう事もあります。

その様な理由からベストチョイスは「SessAロワアームブッシュ」が良い仕事をしてくれます。

リヤのトーションビームも錆が酷く、気になる点も多数でしたので、手っ取り早く降ろす事を決定。
マウントブッシュの交換を行い、ある程度の錆落としと見た目の美化を進めて行きます。

トーションビームが降りている間に、マフラーセンターパイプの美化も進めておきました。
錆びた面が最前面にいると、せっかくの整備を施しても仕上がりクオリティがイマイチになる事を嫌っての計らいです。

ビームマウントを純正品に組替え、トーションビームの化粧直しも行い、これより搭載を行います。

このブッシュの抜き換えは、思いのほか大変な作業です。
油圧プレスを使う事ができる程、ビーム本体はコンパクトでは無いので治具とポートパワーを上手く使いながら、2人掛かりのでの組み替えを行いました。
まだまだノウハウ蓄積が必要な作業です。

この後は、各部の組み付けを進めながらブレーキ関連の作業を進めて行きます。
Written by Hashimoto

関連記事