[MADE IN ENGLAND]Rebuilt in JAPAN
SU 11/4 ツインキャブレータ 再生開始


「SUキャブレータ」古くから英国車をはじめとし、様々な車に使用されていた気化器のひとつです。
スポーティなキャブレタとしてメジャーな形状はサイドドラフト&ダウンドラフトのウェーバーDCOE型 や IDA型がメジャーです。
SUキャブレタは先述のスポーティキャブと言うよりも、オールラウンド型と言いましょうか。
普通なんだけれど、使い方次第ではスポーティと言えます。

様々なキャブレタの中でも群を抜いてシンプルで、且つ造形美が美しいのですよね。

フィーリングは、扱いやすく、ジェントルな性格が持ち味。
俗に言う素敵な吸気音のキャブレタはWEBERのツインチョークが多連装されている事を世間的には言うと思います。

SUキャブレタで吸気音を重視に仕立てると、トルクが薄くなる事も多く、良い物も使い方を誤ると持ち味は薄れるものです。

今回は、お客様より「SUツインキャブレタの再生」についてリクエストを頂いています。
冒頭画像はこれから再生を始めるスタートの状態。

アルミの肌は酸化皮膜で覆われ、油汚れも重なり無残な状態になっています。
何はともあれ先ずは洗浄でしょう!ということで、何時ものウォータブラストとトレント洗浄を行います。

基本環境を整えて、きれいになったところで必要事項の払い出しを行います。

ミドルクラスのチューニングを施したエンジンに敢えてのダウンサイズキャブを取り付けて、高回転よりも低回転を太らせ、扱いやすくも踏めばパワフルな。

そんな仕上がりを目指しています。

10代の頃、ツインキャブと言う言葉とフィーリングに憧れ、会社にあったキャブレータを勝手に?取り付けていた事が懐かしいです。

その後もあれこれキャブを付け替えてみたり、アナログな点火システムを触ったりとやりたい事が尽きませんでした。

自分の世代の車は明らかにインジェクション化が進み、敢えてキャブを選択しなければその世界には入れないと言う昭和53年生まれ。あの頃キャブが大好きであった事は自分の整備士人生の中でかけがいの無い時間だったと振り返ります。

今はキャブを知らずに車に向かうメカニックが多い世の中。それはそれで良いと思いますが、電子制御が何を行なっているのか?を知るためにもアナログの世界はとても大切である。そんな風に考えます。

Written by Hashimoto

 

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