発電機が騒々しいので開けてみた


ミニ1000・1989年式・ワンオーナー、私が入社した頃は既に当社のお客様としてご来店を頂いていた方のお車です。
新車からずっと乗り続けているという筋金入りのミニ乗りですね。

定期点検・車検・オイル交換は定番としてご来店を頂きますが、ご近所にお住まいという事もあり、何か起きた際に突如ご来店を頂くというサプライズ要素も満載のお客様です。

今回は、車検整備のお預かりの一環で耳障りに気になる音が発していた事も有り、分解・点検を行いました。
発電機のベアリングは、この頃の車では悪くなる事が多いです。
シールドベアリングでは無く、オープンタイプのニードルベアリングという構造はグリス抜けを起こし易い事が理由。
ベアリングを交換するというよりは、掃除してグリスをリパックする事が多いです。

冒頭のスリップリングの状態もベアリング状態も含めて、本来ならば交換してしまいたいところですが、車の用途・移動範囲・などを加味すると必ずしも交換は正解では無く、延命処置メンテが最適であると判断。
レギュレタブラシは過去に交換している事もあり、意外に残量は多めです。


スリップリングの上側は、ニードルベアリングの当たる相手の軸部。
レクティファイアや、ロータコア部に蓄積された埃汚れを吹き飛ばして、組み直しを行いました。

燃料供給はキュブレタ式・点火システムはディストリビュータのポイント式・定期的に基本を抑えた整備を行っておけば大きなトラブルは起きず、長く乗り続ける事が出来ます。
私に整備の基本・車の楽しさ・車を通じて繋がる仲間など、あらゆる事を教えてくれた車も同年式のミニ1000でした。

現代車とは色んな意味で流れる時間の異なる、ちょい旧な車は手が掛かる要素満載ですが愛される要素が盛り沢山だと感じます。
電気自動車へと移り変わる時代、ガソリンとオイルの香りを漂わす事がいつかは懐かしいと感じるのでしょうか。
流れに従い沿う事も大切ですが、時には逆らい楽しむ事も必要ですね。
Written by Hashimoto

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