ルーテシア3RS クリオ3RS 乗りに告ぐ!
シフトフィーリング改善に効果ありか!?


クリオ3RS・ルーテシア3RS にお乗りの方々からよくお伺いする症状として「1速に入り辛い時がある」事です。
エンジン始動直後の冷間時にそう感じる事が多いです。

その症状については、十分に理解をしており、これまでにも改善に力を注いできました。
ミッションオイルの粘度を変更する事で、改善に繋がる事もあるのですが、それでは結果に結ばない事も稀にあります。

これまでに多く寄せられたお客様からのご意見を基に、常に頭の片隅にその案件があり続けていました。
お客様からの直接のご意見は、施工側からすればとても重要な意見であり、粘度を変えたとしても毎回の様に症状を訴える場合もあるのですね。
「これは別の原因があるに違いない」そう思いながら、モヤモヤとした状態を引きづります。

整備書を参考に、調整を行う事で改善されるのではないだろうか。
車輛を確認すると、ケーブルには調整機構が備わります。
この部位を基準値を目安に、調整を行う事で改善に効果が確認できないだろうか?そんな風に考え始めました。

画像にある部品が、ケーブル先端の調整機構です。
調整機構であると同時に、トランスミッション変速機構の横軸の運動を担う部位です。
横方向とは、中立から左右に振る区間運動の事です。

指定のポジションに、レバーをセットし、その状態を維持するためにステアリングホイールにロープで縛りつけて固定します。

横方向の可動位置の基本出しをするべく、決められた厚みのシムを挟み込みます。

その後、調整機構のロックを解除し、寸法を合わせた後にロックします。

どうなるのか想像が出来ていませんでしたが、驚くほどの操作性向上を確認できました。
おそらく冷間時でもOKな結果がでるはず!
特に1→2→1のストロークがとてもスムーズに、引っかかりを感じずに作動します。
3→4→3も快調そのもの!

部品やカスタムパーツで調子が変わるのではなく、これが技術的な要因である事はとても好ましい事。
部品を付ければ調子が良くなるのは当然の事。
原理の理解と、そこに調整の余地があるのかどうなのかを把握し、手を施すことで得られる結果は整備士ならではの醍醐味です。

今後、機会がある度に実践し、より一層ルーテシアに強い店として完成度を高めていきます。
Written by Hashimoto

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