アバルトの仕上げに小細工を
こういう細かな事が大切だったりします


車検整備にてお預かりをさせて頂いているアバルト595です。
以前は別のアバルトにお乗りでして、乗り換え..では無く増車?でも無く、なんと息子さんに前のアバルトを引き継ぎ、新たに導入されたという素敵なエピソード付きです。

今回は基本整備を一通りご依頼頂き、加えて4輪アライメント作業も行っています。
作業の拾い出しの際に、右フロントタイヤの内側が多目に減っている(偏摩耗)事が気になった為です。
足廻りは車高調整式に変更が行われており、色々と手が入っていると見受けられました。

サスペンション診断の際に、サイドスリップテストを行うのですが、現在のセッティング値はトーアウトにある事もその時点で判明。
これは、しっかりと点検する必要があるな。。と判断しました。

一連の、作業の施行を終え細かな仕上げを行っています。
メンテナンスレコードのリセットは、必須ですね。

テスタ接続を行い、ヘッドライトの自動調整機構についても診断を行います。
アバルトには、光軸調整を自動で行う機能が備わっていますので、前後の車高値の認識が正常かどうかを確認する必要があります。
要注意なのは、足廻りに手が入っている場合ですね。
下げすぎている場合は、ハイトコレクタから発する数値が基準値を超える事があります。
以下の画面では、基準値超えを意味する数値が確認出来ます。
3.1Vは、イニシャル値
4.1Vは、現在の値
4.0Vを超えると、イニシャルは出来なくなります。

数値ではなく、グラフ表示に切り替えるとイニシャル/実測の差はよく分かります。


これは、基準値を超えている際に補正値をリセット出来ない場合に表示されるメッセージ。
コントロールユニットから予期しない反答。←言い方が硬いのですよね。テスター語は。

フロントのアクスルセンサは、左のロワアームをロッドで繋げて、その角度を数値化しているという仕組み。
この部分が、純正品では補正が不可能という事です。
ショートロッドなる物も有りますが、別に必要は無く少しの加工で対応は可能。

加工後は、基準値内に数値が納まりました。

補正値のリセット/イニシャル完了後は、上下の数値が同一数値に変化します。

グラフ値も揃って1本の線に。

完了画面。
この後に、機械的にヘッドライトの光軸を調整します。


一連の作業を完了後、メンテナンスレコードのリセットを行います。
メンテナンスマーク(スパナマーク)が次に点灯するのは、15000km/365日 後という事ですね。

稀にお電話で、スパナマークを消して下さいという要望を伺います。
消す事は、テスタを繋げば可能ですが、大切なのは消す事では無く点検を行う事であると思います。
スパナマークは異常を知らせる警告灯では無く、定期点検の時期をお知らせしてくれる車側の親切な機能です。

Written by Hashimoto

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