アルファロメオ156 V6 ヘッドライト電源系統の整備

156のV6がヘッドライト(HID)の点灯時不具合の修理で入庫しました。

症状としては、エンジン始動直後のヘッドライト点灯時にHIDがフラッシュ(点滅)してしまうという内容。
フラッシュ状態が数秒間続いた後に正常点灯するものの、電気系統については正常に働いて欲しいものですね。
酷いときは、そのまま不点灯になる事もあるということです。

車輌が156のV6ですので、発熱量の問題でオルタネータが発電電圧不足を誘発する事もある為、そこも踏まえて
電源系統の基本チェックから始めます。

バッテリ端子付近は、既に当社のステージ1メンテナンスを施工済みですので安心したいところですが
施工後に、オーディオアンプ用の電源が取り出してあったりと、ちょっと気になる点もありました。
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接触不良を誘発しそうな箇所については配電基盤を磨くなどし、基本的な処置を施します。
アルファロメオ147.156.GTの電気系統トラブルは、こういった箇所で起きている事が非常に多いです。

その後、バンパー内部ヘッドライト周辺の電源回路についても点検を行います。
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今回の車輌の場合、アフターパーツのHIDでは無く、GTAの純正ヘッドライトを装着している為、随所に配線加工の
痕跡が見つかります。
配線加工という作業は、蓋を閉じてしまえば見えなくなる為、ひとつひとつの作業が確実でなくては後々のトラブルに
繋がります。
全体的に不安を覚える結線状況が多かった為、全ての配線を作り直す必要があるのはすぐに判別が付きました。
さらに確実な作業にする為、電圧がどの様に供給されているのかもオシロスコープでチェックします。
HID
表示中の状況は、イグニッションオン・ロービーム点灯時です。
その際にCH1側はバッテリ電圧・CH2側はHIDバラストに電源を供給する電圧を表示中です。
リレー回路は既に組み込み済みですが、リレーより出力する電圧がバッテリ電圧と大きく差が出てしまっています。
HID点灯回路は、正常に作動する最低電圧がありますが、この状況ではそれを下回ります。
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作業を進める中で、電圧ロスを誘発しそうな箇所がいくつか見つかりました。
電気配線の接続は、長期的な仕様に耐える確実な結線・圧着・半田が必要ですね。
リレー回路は全て新規作成し、正常な電圧供給と、正常なヘッドライト点灯を出来る様になりました。

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