アバルト・プントエヴォ はお疲れからのトラブルが発生


翌日に12ヶ月点検でのお預かりを予定していた最中、自走が不能になるトラブルに見舞われてしまった プント・エヴォの作業を開始します。

走行中、突如に衝撃と共に違和感が生じたと言う内容でした。お電話で第一報をお伺いし、状況を確認していた所自走は難しそうであると判断。
レッカー出動にて、車輌のお引き取りをさせて頂きました。

◆エンジンマウントの固定部が破損
◆エンジンが下方へ下がり
◆角度の変化により駆動系も損傷
というのが、調べを進める中で分かりました。

エンジン角度が変ってしまっていたので、ひとまずの応急処置でサブフレームとドライブシャフトサポートの間に木の支えを挟んでいます。


エンジン角度の変化により、ドライブシャフトのインナー側が抜け出ていました。

一見すると、普通に見えるのですが、マウントブラケットのヘッド側取付部に問題が起きています。


ここのボルトは折れています。
この部分は、M8サイズの長いボルト合計5本で、アルミ製のシリンダヘッドに対して凝結しています。
出力の小さなエンジンの場合は問題無くとも、近年のハイパワー化したアバルト系の場合は経年劣化でアルミ側が負けてしまうのかもしれません。
5本の凝結の中で弱った箇所の凝結力が無くなると、残る4本も次々と保持力を失ったのでしょう。
点検開始直後、抜け出てきていたボルトを締めようとしてみましたが、トルクが掛かる雰囲気はゼロでした。

先ずは修正の必要な箇所を分解する所から始めています。

マウントブラケットの修理には、タイミングベルトも取り外すのですが、ベルトも交換時期を向かえていました。

ベルトカバーも、樹脂劣化でボロボロに粉砕しそうでしたので、それについても追加の部品手配を行います。

折れ残ったボルトと、広がってしまったアルミのボルトホール。


青ペンでマークを付けた箇所が修繕の必要な部分です。

目線を下側に向けると、ウォータポンプ横の金属製ブロックプラグも怪しい雰囲気を発見。ここも後ほど手当てが必要です。

折れ残ったボルトが綺麗に抜けてくれると良いのですが。
それと、広がったアルミのボルトホールも上手に修繕を行う必要があります。

お疲れが一気に湧き出した感じですね。
しっかりと処置を進めて行きます。
Written by Hashimoto

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