嗚呼アバルトよ 朽ち果てて..ついにここまできたか..


ご相談の内容は「車高が下がった気がする..ので見てもらいたい」との内容でした。

ご来店の際の車高の下がりっぷりは、一目見ただけで状況を察するレベルでした。
リフトに上げてみると(冒頭画像)、何が起きたかは一目瞭然。
「完全にズボ抜けましたね」
トーションビームが融雪材による影響で錆が進行し、荷重の掛る箇所が絶えきれず破断した様です。

以前より、錆の進行が気になっていたアバルトです。
トーションビームのスプリング受け皿が最も被害が大きく、過去には補強対策を行っていました。

こうなれば交換しか手段はありません。

程度の良いリサイクルパーツを探し、組付け前にパーツ単体でのアンダーコート塗装を施行しました。

防錆用のアンダーコートは、主にシャシ裏に吹き付けます。
一般的には各パーツが組まれた状態で、マスキングを行ったうえで専用塗料を専用ガンで吹き付けます。
以前より興味は有ったのですが、ボルトやナットの頭にアンダーコートが乗ると、ドライブ角が1サイズ上がる位の膜厚となり整備性が低下するリスクが気になっていました。
今回は、部品単体での施行ですので着色を避けたい箇所はコートが乗らぬように養生を行い、施行を塗装屋さんに依頼する流れとなりました。

組付けに際して、付近の構成部品も程度の良いリサイクルパーツに必要な箇所は組み替えを行ないます。

リヤのスプリングも、本当は交換したい所でしたがひとまず今回は再使用します。

からの、全体の組み付けを完了。
全体は綺麗に、かつ安心感の高い見た目に仕上がりました。
旧い車のレストア作業を行った様な気持ちになる。そんな類いの作業でした。


融雪材散布地域及び沿岸地域での使用においては、春先の下廻り洗浄と防錆処理作業は欠かせませんね。
今回のお客様には、今後の管理方法についてもご案内をさせて頂こうと思います。

この後はアライメント作業を行い、全体的な仕上げを行います。

Written by Hashimoto

関連記事