パンダ前期・後期のタイミングベルト 恐ろしいベルトが付いていました

パンダ2台分のタイミングベルトを交換しました。
前期と後期ではエンジンが似ていますが、異なります。
後期モデルは500の1.2Lに近いのですね。

まずは後期モデルを。
カバーを開けて驚きのベルトが装着されていました。
ヒビヒビです。
ウォータポンプからも水漏れが始まっています。
おそらく新車から未交換なのでしょう。
走行距離は 5万キロ台中盤です。
皆さんも気を付けてください。
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後期型エンジン搭載車は、カムカバーを開けて専用ツールでタイミング位置を合わせる
必要があります。
カムシャフトエンドに設けられた切込み部に合うように設計されたツールを用います。
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クランクシャフト側も、位置を合わせます。
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クランクが適正位置の時にのみ、カムシャフトにツールを取り付ける事が可能です。
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ついでですので、バルブクリアランスを点検します。
現代にしては珍しく、バルブリフターにシムが装着されている為、任意で調整が可能です。
調整が必要なほどの誤差が無い為、今回は未調整です。
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カムカバーの洗浄を行います。もちろんトレントを使用します。
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このカムカバーには凝った仕掛けがありまして、オイルラインが存在します。
オイルポンプで吸い上げられたエンジンオイルは、圧力を保ったままカムカバー内部に
到達します。
その後5つのオイルジェットを通過し、カムシャフトジャーナル部とリフタ付近を潤滑します。
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トレントによる洗浄中に、オイルラインの清掃も合わせて行います。
油路にトレントの高圧ノズルを接触させ、噴霧を行うと5本の水柱が上がります。
綺麗に抜けている事が確認できればOKです。

そして、洗浄後のカバーはここまで綺麗に仕上がります。
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まるで新品ですね。
トレントが導入される前までは、洗浄台と呼ばれる昔ながらの灯油を用いた
シンクの中で手作業でセコセコと洗っていたのです。
時間は掛かるは、手が荒れる、そして時間の割りに綺麗にならない。
そして、洗浄液が灯油なので仕上に洗剤と水洗いが必要という手間をかけていました。

トレントならこの仕上がりが数分で完了します。
手も汚れなければ、人物に水もかかりません。しかもすごく自然な綺麗さを実現します。
トレントを誰かに勧めたいわけではありませんが、スタッフ全員の超お気に入り設備の一つです。
壊れたら困るだろうな~と思います。

そして、新品のガスケットを各部に取り付け組み付けます。
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そして、前期パンダです。
こちらはのベルトはもっと恐ろしい状態になっていました。
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こちらも新車から一度も交換されていないベルトです。
久々にヒビヒビのタイミングベルトを見ました。

クーラントタンクも樹脂の経年劣化が見受けられますので、交換します。
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パンダに限らず、タイミングベルトは早目に交換しましょうね。

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