目の届かぬ工房でキメ細かな作業を
106MAXIの今


バトンを引き継ぐ準備が着々と進行中であります。
106マキシを次のオーナーに納車すべく、納車整備は進んでいます。
車検の取得を行う前に、ボディの劣化箇所の改修を先行して行っているのが今現在の進捗。

駐車場位置の問題で、右反面に紫外線があたる時間が長く、ファイバーパーツの劣化・塗装の劣化が気になる状況でした。
全塗装は必要ないので、ファイバー特有の割れや塗装の荒れを中心にリペアを進めています。

事細かく、気になる事を逐一の相談を頂ける弊社の板金担当 M.Nagaya の作業は、こちらの思いに応えてくれる、キメ細かな作業を得意とする職人である。
塗装作業は、塗ってしまえば素人にはその裏は分からず、パッと見を綺麗に魅せるのは簡単な事。
肝心なのは塗るまでに、どこまでの土台を築けるかだと私は思っています。
土台作りに関して「ココをどうしましょうか・こういうリスクは出てきます。」と言った相談事を頂けるのは、依頼する側からするととてもありがたい事。
彼のスタンスにはブレが無く、付き合いを始めた頃から一貫して変わらない。最初だけ調子が良い、そういう人間では無い事が時間の経過と共に理解でき
今に至る。もちろん、塗装後の仕上がり・耐久性・アフターケアに至るまで高いバランスを保持している。

真面目に、基本に忠実。だから永年にわたり良い状態を維持する仕上がりが実現するのだなと、思っている。

鈑金屋さんからすると、当たり前の作業も、私にとってはとても目新しく、斬新である。

メカニックでなければ、鈑金塗装を選んだだろうなと、時折思う。
ボディワーク・フレーム修正・これは身に付けたいと思う業種のひとつだ。
ボディが治せて、修理と整備が出来れば、好きな車を好きな様に楽しめる。


AIでは成し得ぬ、人の手の仕事。
人の手が織りなす、温かみのある仕上がりを私は大切にしたいと思うのであった。

整備も同様に。

先日ふと、思った事が。
私の父は、神戸で「couture」と呼ばれる業種の小さな店舗を営んでいた。
元町大丸の北正面に位置した店舗は、今考えると神戸の一等地だったのだろう。
クチュールとは、フランス語で仕立て・縫製を現し、顧客の体型に合わせて手仕事で一点モノを仕立てる高級注文服を指す。
幼少期から、父の仕事を常に生活の傍らに見ていた。
決して派手な儲けは無さそうであるものの、真面目に・コツコツと職人の手から様々な衣装を生み出していた。
先日、実家の整理を行っていた際、いまだ保管されている生地の山を見て初めて知ったのは「MADE IN ITALY」「MADE IN FRANCE」のタグが付いた素材の驚愕なプライス。
昭和の時代に、生地がこの値段!?うん十万の生地が山の様に出てきた。
それまでは、古く使い物にならないモノにしか思っていなかったが、長年の時を経ても全く悪くなっていない事に驚いた。
良い物とはこういう事か。虫食いが無ければ、カビも生えていない。あまりに不思議だった。

きっと、父の管理下になったからだろうと、暫くして気が付いた。
とにかく、几帳面で真面目。物の管理は雑に見えて、物凄く慎重かつ丁寧に扱っていた。

父とは異なる業種であるものの、通ずるものは似ているのかも。
そんな風に思い始めた。
一攫千金よりも、コツコツと、ユーザーに寄り添った整備を提案していきたい。
満足は、対ひとりのお客様の為に。

今年に入ってから、しっかりと時間を掛け、1台と向き合う事が出来ている。黄色のセイチェントもその1台である。
重整備の控えも、これまでに無く物凄い台数のオーナーから相談を頂いている。
あと11ヶ月、良い流れを維持しながら躍進して行こう。
Written by Hashimoto

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