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工場通信

チンクチェント スポルティングアバルト ステアリングのリビルト

2014/02/13 | 何気ない作業風景

純正部品の供給が無い、または生産終了。この様な事態は年数の経過した車には当たり前の様に
降りかかる事態です。

現在入庫中のチンクチェント・スポルティングもその例に挙がる1台です。

今回の不良箇所は、ステアリングラックです。
内部のブッシュが経年劣化により損傷し、シャフトに大きなガタが発生します。
旧パンダの場合は、内部ブッシュの部品供給がありますが、チンクチェントの場合初めから
部品の供給がありません。
つまり修理するには、ステアリングラック本体の交換を余儀なくされます。

部品をアッセンブリーで購入すれば、その他の付随する箇所も新品になる魅力があります。
しかし、まだ使えるのに...と思う場合、何とかしたくなります。

なので今回は修理する、という方法を選択しました。

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取り外したステアリングラックです。
他の車と比較すると非常に小さく、また力を受け止める面積が小さい為、劣化し易いのが見て取れます。
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これが問題の症状です。
親指で押したり・離したりしているシャフトは、本来であればラックケースの中央に位置決めされているべき物です。
シャフトを支持するプラスチックブッシュが劣化の為、砕けてしまう為これだけの遊びが発生します。

もちろん、この状態で走行すれば右フロントあたりから「ゴトゴト」と異音が発生します。
また、ステアリングを右へ大きく切り込んだ際は、途中でガクッと引っかかるあるいは、ロックする、そんな症状も発生します。

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各部の分解を進め、修理の方向性を考えます。
右画像の中央に開いた穴、この奥に本来ならばブッシュが組み込まれています。
確認したところ、粉砕したかけらが数個出てきました。

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これで良いですね。
いなくなっていたブッシュの入る場所へ、制作したブッシュを組み込みます。
その後、各部の潤滑・調整を行い組み付けを行ないます。

引き続き、チンクチェントはお預かり中ですが、この車の部品供給状況はなかなかの困り者。
試行錯誤しながら作業を進めて行きたいと思います。