クラッチトラブルの原因は、オイル漏れによるものでした

47CD2DBB-8B0B-44A5-A835-D29FC272BFA8

先日よりメンテナンスを行なっているアルファロメオGT V6の作業風景です。

クラッチがうまく切れない時が増えてきて、不安だ。というのがお客様のお声でした。

クラッチの作動方式にはワイヤー式と油圧式がありまして、当アルファロメオの場合は後者の油圧式となります。

 

クラッチの操作具合に不安定さが増した原因は、レリーズシリンダーという部品の不具合でした。

A7FF825A-D320-4ADC-BCF0-DFE5EC6ADE59

こちらが、クラッチレリーズシリンダー。ペダル側に装着されるマスターシリンダーを操作する事でプライマリ油圧が発生し、配管を抜けてきた圧力がレリーズに到達し、内部ピストンが動き、クラッチレリーズフォークへと力が入力される。という流れです。

クラッチが切れるという仕組みはいくつかの部品の連携プレーなのです。

なので、一口にクラッチがおかしいぞ、となってもどこに問題があるのか?を見極めていく必要があります。

シリンダーの先端のブーツを外すと。

88E150E2-674E-4B79-8663-87AB335D8032

ダバーっとフルードが溢れ出てきました。

出てはいけないところから出ているんです。作動ピストンに備わるシールが悪いのですが、原因としてはゴムの不良の他にもう一点。それは、スチールシリンダー故に内部に錆が発生します。錆びた内壁をラバーシールがストロークし通過する事でシールに傷を負わせます。その結果、オイルが漏れ始めるという事です。

F7A97550-9ECF-4EA6-B354-CC708A723696

新しいレリーズシリンダーに交換して組み換え、エア抜きを行います。

07E10968-06A2-4236-8D08-F59D7A256011

クラッチの接続位置などの確認も行い、完了となります。

クラッチフルードやブレーキフルードは吸湿性の高いフルードですので、定期的な交換を怠ると、スチール部品に悪影響を及ぼす事に繋がります。

年に一度は必ず、フルード交換を行い、嫌なトラブルは未然に防ぎましょう。

 

関連記事