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工場通信

HIDの不具合 不点灯の原因は基本的な電気の流れにありそうです

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継続検査の車検整備で入庫したのは、プジョー306 N5S16です。こちらはワンオーナーで大切にされている1台です。走行距離は20万キロを越えました。かれこれ15年以上のお付き合いとなります。

お客様からのご相談事項に、ヘッドライト(HID)がたまに点かない事がある。左右共に。という内容がありました。HIDのトラブルは、バラスト・バーナー・イグナイタと、疑うべき箇所が複数ありますが今回疑ったのは電気の流れです。

オシロスコープを使う事で、電気の巡りは一目瞭然です。
バッテリターミナルのプラスとマイナスをオシロのチャンネル2に入力。
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そして、HIDのトリガーとなる電源線のプラスとマイナスをオシロの1チャンネルに入力。
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そして、ヘッドライトスイッチをオンにします。
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エンジンはアイドリング状態で、オルタネータが発電し、バッテリの電圧は14.5ボルト
この際のロービーム供給電圧は12.8ボルト
2ボルト近くもの電圧差があることが分かりました。
12ボルトの電圧があればHIDは点灯可能ですが、その他の電気負荷が同時に発生した場合、供給電圧が更に下がる事は十分に考えられます。

この状況の際に、バッテリ端子から直接ケーブルを追加し、電圧を与えると。
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供給電圧は14ボルトまで上がりました。それでもまだあと一息です。

次に、アース回路を追加してみます。
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14.2まで上がりました。当初2ボルト近くあった電圧差は0.2ボルトまで詰める事ができました。

これはテスタ上での確認ですが、実際に車両側でこの仕事を行うのがリレー回路となります。
今回はHIDシステムは変更せず、別にリレー回路を製作しようと思います。

ちなみに、電圧差=電圧ロスですから、車の電気の流れのメイン系統にも同様の事が起きています。
それらを良い方向へと改善するのがステージ1メンテナンスです。

車にとって電気は非常に大切です。目に見えないだけに苦手意識が高まりますが、電気を見える状態にする事で色々な事が分かってきます。地味な作業ですが大切な作業だと考えます。

Written by Hashimoto