ダウンサスのみ装着をお勧めしない理由として-2 (ABARTH500をモデルにご説明)


ダンパーの機能が著しく低下していた為、交換済のスプリングは再使用しショックアブソーバのみを交換する運びとなったアバルトです。
使用するショックアブソーバはビルシュタインのB8です。ダウンスプリングに対応したショートストロークダンパーを用います。

取り外したダンパーを手で押し縮め、手を離した際のダンパーの動きをご覧下さい。

離した瞬間に、凄い勢いで伸びてくるのが分かります。
伸びる速度が速すぎて確認し辛いくらいです。
伸び側の減衰が完全に機能を失っているのがわかりました。これが右側に装着されていたダンパーです。

そして、新たに取り付けるビルシュタインの作動。

完全に伸びるまでに沢山の時間を必要としています。伸び・縮み共に減衰力が十分にあると言えます。

ストラット周辺各部の点検も行いながら、組み付けを進めます。

リヤ側は、バンプラバーが長すぎました。


狙いとしては、純正ショックのストローク限界を招かない為と思われます。
バンプタッチでの乗り味をコントロールする事は大切ですが、常時バンプラバーがタッチしているのは乗り味の悪化を招きます。
バンプラバーの長さをコントロールしながら組み替えを行います。

作業完了後に、SDLテストで確認を行います。

追従性が良く、あらゆる周波数でもサスペンションが暴れず安定しています。

改めてもう一度作業前の動画です。
動きが違いますよね。

新品ダンパーの性能チェックも行う事で、装着した製品に初期不良が無いかも判断出来ます。

引き続き、4輪トータルアライメントを行い、最終仕上げを行います。

Written by Hashimoto

 

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