良い足回りは乗り味をグラフから読み取れる
オリジナルサス入荷 アバルト


本日アバルトのオリジナルサスペンションが入荷しました。今回の入荷分の一部は既に売約済みです。乗って頂ければすぐにその良さをご理解いただけるのが、当社のオリジナル定番商品のアバルトサスペンションキットです。
乗ればわかる。乗りに来ていただける方なら、是非乗って頂きたい。でも、乗りに来れない方もいらっしゃると思います。

そんな方の為に目で見て分かるサスペンション性能をご覧ください。

当社ではすべての入庫車両に対して行う診断の1つに BOSCH SDL テストがあります。これは、足回りに異常が無いかを瞬時に判断する格好の診断方法です。
異常の有無を確認するだけでは無く、組み換え後の性能チェックにも非常に有効です。

例えば、先日施工させて頂いたお車の作業前・作業中間時点・作業完了後 のその変化も明確に残すことが出来ます。

まずは作業前(入庫時)のサスペンションをチェック。

ダンパーがダメになっているわけでは無く、これがチンクチェントの持つサスペンション性能です。よくお客様が言われるのが「リヤの跳ねを何とかしたい」これです。グラフを見るとリヤの路面粘着率が非常に低いのが分かります。テストは色々な周波数で車を上下に揺らす事で行います。グラフ向かって右側がテスト開始直後です。大きな揺れを受けた瞬間に粘着率が下がっているので、走行中に段差を越えた際にフワっとした印象を感じる事がグラフから読み取れます。

そして、サスペンションキットを組み替えた直後。

粘着率が大きく変化しました。それと共に、サイドスリップの値も変化しています。
これは、ダンパーの取り付け部寸法の変化と、車高が下がった事が理由です。チンクチェントのリヤサスペンションは、トーションビームと呼ばれる左右のアシが重たく大きな構造物で一体となり繋がっている物です。その構造故に、車高の変化はトーの値に直結します。下がればトー・インの値は大きく増えてきます。

これらの数値を確認し、この後に4輪アライメントへと移ります。

そして、アライメント後のサスペンションテスト。

サイドスリップの値が変化しましたね。今回は、ハンドリングと直進性を求めた数値にしてみました。もっとクイックなステアリングレスポンスを求める事も可能です。
重要なのは、リヤのトーの値をスラストアングルと合わせて左右差を無くし、理想的な向きを向けている事です。
これが大抵の4輪アライメント作業では、施工する事が出来ないのが現状の様です。理由は調整機構が無い事の様です。調整機構を持たずとも、向けたい向きに調整するのが4輪アライメント作業の醍醐味ですから、納得のいくところまで調整を行っています。

小さな車体に短いホイールベース、そして様々なタイヤサイズが存在する、チンクチェントやアバルトのサスペンションを、高次元でバランスを取る事に成功した当社の商品。
ものすごくお勧め度の高い製品です。

ご試乗お待ちしています。

Written by Hashimoto

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