後付けのLEDバルブ 正しく点灯していますか?
調査することで見えてくる実態


ヘッドライトバルブの高効率化として、最近ではHIDよりもLEDが主流になってきました。取付も簡単で、そこそこな明るさを放ちますので、装着している方も多いと思います。

私たちの多く扱う車種では、HIDを正常点灯させる事の出来ない車がこれまでにいくつもありました。
それらの主な原因は、車輌からの電源供給の方式にあります。以下のオシロスコープ画像をご覧下さい。青色の線が上下に矩形波を描いているのが分かります。PWM方式と言って、電源供給のON/OFFを短い周期で繰り返します。何のためかと言うと、ECOの為。消費電力を抑える事が目的です。

こういう電源供給は、ハロゲンバルブを点灯させる為に用いられます。ハロゲンの場合は、フィラメントを発光させますのでPWM方式で有っても光量に支障はきたしません。
ところが、この電源でHIDを駆動させると、フラッシュや、不点灯が発生します。HIDは供給電源に対してリニアに反応しますので。PWM方式の場合で有っても、常時PWMという事では無く、車輌側の制御によりPWM周期を変えながら、または通常電源供給も織り交ぜながらの点灯を行っています。
HIDが不点灯に陥るときは、PWM制御が始まった合図ですね。

HIDでは不点灯が発生しますが、LEDでは不点灯は発生しません。ここに皆さんが安心してしまっているのが現状の様です。今回、パンダクロスにて検証しました。お客様がどこかのお店で装着をされた様でしたので気になって調べてみると、先程のPWM制御が介入していることが分かりました。でも、一見すると普通に点灯しています。

では、LEDヘッドライトバルブに、PWMが介入するとどうなるのか?
「光量が落ちます」それと「長期的な話では、早期球切れを誘発します」
嫌な話ですが、本当です。
光量が落ちるのは、理由が有ります。話を車では無く、家電に移します。家庭用のライトもLEDが主流ですが、減光機能を備えています。この減光をコントロールするのが PWM なのです。
PWMは通電・遮断を繰り返す事で対象物の仕事量をコントロールします。車用のLEDバルブも、想定外のPWMが介入すると100%の仕事が出来なくなります。つまり、発光量が暗くなるという意味です。HIDの様に目に見えて明らかな不具合を発しないところが怖いところです。
LEDバルブには、PWMの様な断続的なON/OFFに対応出来る回路にはなっていませんので、早い段階で不点灯や性能低下が起きる可能性はゼロとは言えません。

そこで、正常点灯出来るようにする回路がこちらです。「SessA HID Plus」です。フィアットのみならず、シトロエンやプジョーにもPWMが採用されています。

取付がやや複雑ですので、DIYでの施工は難易度がやや高めです。

必要箇所に結線を行い、最後に設定を行います。「エンジン始動時のみライトを点灯させるorエンジンの始動に関係無くライトを点灯させる」の選択が可能です。これは、スモールライトのみを点灯させる事が出来ないフィアットの為に付けた機能です。アイドリングストップ作動中は、ライトを消灯し、スモールのみを点灯する為です。その設定を行うのがこのイエローのケーブルでして、HID Plus本体から生えるケーブルです。室内までこの配線を引き込めば、任意でのスモールライトのみ点灯も可能です。(2極スイッチが必要)

HID Plusを接続した後は、電源供給が安定電源に変わります。
さらには、リレー回路としての役割もありますので、PWM時はピーク電圧が13ボルトに満たない状態でしたが、HID Plusの取付後はリレー機能の働きにより14ボルト以上を供給する事が出来ます。一石二鳥のHID Plus お勧めですよ。

ごまかし装置で対策するのでは無く、根本的な電源に変化をつけるのがHID Plusです。 HIDの為に製作した商品が、LEDの為にも使える様になるとは思っていませんでしたが、使用頻度が上がっています。名前を変えた方が良いかもしれませんね。

皆様は、誤ったLEDバルブの使い方をされていませんか?正しく使用する事で、性能を発揮出来るのがLEDです。
(当社での取付は、自社管理車両に限定させて頂いてる商品です。取付単体での作業は承る事ができません)

Written by Hashimoto

関連記事