スプリングの特性変更で乗り心地を操作する
サスペンションの追求は奥深く面白い事です


以前に、当社のオリジナルサスペンションを組付けさせて頂いた、フィアット 500 ツインエアーです。今回は車検整備でのご入庫です。

ご依頼内容のメインとして「乗り心地をもう少しだけ当たりを柔らかくしたい。」との内容がありました。
ご依頼主のご主人は、オリジナルサスペンションのスタンダードセッティングに満足をして頂いてるのですが、常用される奥様からは「若干の硬さが気になる」とのご意見です。

女性のご意見は、参考になる事があります。男性目線での物作りは、尖った所も良しとするのですが、その部分がタブーと受けとめられる事があります。
味付けが濃すぎると捉えられた場合の手直しが必要な場合は、的を絞ってどこをどのように改善するかを考えます。

今回行ったのは、リヤスプリングのレートを1キロ下げる事です。
画像には残していませんが、それによりどの様な変化が出るのかを確認しました。オリジナルサスペンションを始めた当初は、リヤスプリングは3キロと4キロを用意していました。
その2種類を試行錯誤しながら、現在は4キロスプリングの一択とし、そのスプリングもマイナーチェンジを行いながら、現在の仕様に落ち着いています。

合わせて行うのがフロントスプリングの特性変更。HALスプリング 低反発 を採用することにより、レートを下げるのでは無く、スプリングの特性・性格を変える方法です。これが思った以上に変わるので、リクエストによりご提案する事もあります。

低反発スプリングにより、腰砕けな印象を感じること無く、初期の動きをマイルドにしながらも踏ん張りは効かせるため、乗り心地を換えてみたい方にはお勧めです。
低反発化によりサスペンションダンパーのストロークは増えるので(よく動く様になる)、縮み側のストロークに余裕がある事が装着の前提となります。


この後、4輪アライメントを行い、試運転を行います。おそらく狙い通りのセッティングをご用意できたはず。

足廻りは奥深く、面白い世界です。
Written by Hashimoto

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