クラッチが滑る!!原因はこんなところに潜んでいました


プジョー106S16は、車検整備でのお預かりをさせて頂いています。
ご相談事項のひとつに、クラッチが滑っている様な気がするとありました。

普通に走ると滑らないのですが、特定の走り方を実施すると見事に滑ります。
ディスクの減りもさることながら、他の要因もありそう。
ミッションを降ろさなければ先に進まないので、得意の30分ミッション降ろしを行います。
久々でしたが、まだまだイケる事を証明できました。

降ろしたミッションのハウジング内部は、オイルにまみれてベタベタでした。
こりゃオイル漏れてるな。。というのが一目瞭然です。

クラッチディスクはしっかりと減っています。
でも、それ以上に問題なのがフェーシングに馴染んでしまったオイル汚れです。
このオイル漏れを完治させないことには、クラッチ滑りが再発します。

オイル漏れの原因を探っていきます。
クランクシャフトシールを疑いますが、シールからのオイル漏れは無さそう。→予防交換しておきます。
トランスミッションのインプットシールは?問題無い。→予防交換しておきます。
そうすると、106ならではのあの場所は?

やはり!この部分からのオイル漏れでした。
カムはジング内部のオイルリターンライン。オイルパンへオイルを戻す配管の接着が剥がれ、そこからオイルが垂れ落ちていました。
直ぐ下側にはフライホイールとクラッチ機構が備わります。垂れたオイルはそこに直撃し、先程のオイルまみれと繋がるわけですね。
清掃・脱脂・下地処理・接着 で治します。

今ではアバルトの軽量フライホイールで有名な当社ですが、元祖軽量フライホイールの第一弾は106S16用でした。
ベストセラーアイテムです。
何年かに1度は、製作していまして継続的に在庫しています。
もちろん、今回もオリジナルクラッチキットを装着します。

組付け中に気付いたのが、センサーアースのアース端子の劣化です。
トランスミッションに接続するのですが、端子とその中の銅線が酸化し変色していました。

こういう事が原因で、車にトラブルが起き始めると、とっても厄介な沼に嵌まることになります。
端子造り替えて、予防整備しておきます。

連休前の大盛況な入庫状況も、ようやく落ち着いてきました。
工場通信は、予約投稿ですので全くリアルタイムではなく、最近は殆どの記事が投稿された頃には、ご紹介させて頂いたお車は既に納車済という事が多いです。
皆様、投稿がリアルタイムだと思われている事が多い様ですが、夜な夜な仕込んでいますよ~!
何月何日の何時にアップされる様に、という感じでセコセコとやっております。

大体は1~2週間の遅延が続いております。

特にこの連休前は、全開状態での作業を行っていた結果、画像の残し忘れが多くなってしまいました。
入庫車輌総数に対して、登場台数は一握りです。

こんな感じで日々を過ごしています。連休まであと少し!
Written by Hashimoto

関連記事