ミトQV はタイミングベルトとオイル漏れの修理
オイル漏れには2次被害も付いてきます


車検整備でお預かり中のアルファロメオ・ミト QV はタイミングベルトの交換時期でした。
ご案内をさせて頂き、作業に着手します。

事前の点検時に気になったのが「エンジンオイルの漏れ」です。
最近は、稀に同様の症例が起きている事があります。

原因は、カムシャフトエンドのキー溝を使って回転する「バキュームポンプ」でした。
画像中央のシャンパンゴールドな金属部品がソレです。

役割は、ブレーキ倍力装置を真空状態に維持する為です。
インテークマニホールドから負圧を引き込む場合も有りますが、場合によりこの様な別体ポンプを備えることも有ります。
スチーム洗浄により、流れ出たオイル漏れの痕跡は綺麗に洗い流しました。
残念な事にポンプの直ぐ下には、ラジエタ・アッパーホースが配置されています。
流れ出たオイルは、ホースをつたいます。そうすると、ゴム質が変化し、ゴムが軟質化~高圧に耐えることが出来なくなります。
ですので、アッパーホースも交換します。

この際ですので、サーモスタットと、そこに接続される樹脂製のカプラも交換しました。
サーモスタットはアバルトと同じ物を使用しています。

こちらは、ラジエタ・アッパーホースのラジエタ側接続部。
なんでこんな構造にするのか分かりませんが、樹脂製のロック機構を備えています。
外す時にラジエタの差し込み部が割れるのではないか?と思う位に力が必要です。挙げ句、内部のシール構造は崩壊します。

ベルトの状態は、ひび割れが多く発生していました。交換をご案内させて頂いて良かったと思える瞬間です。

アバルトと同じウォータポンプの取付場所。
取付のフランジは、シーラーの除去と面出し~脱脂はお決まりです。


組み付けを行い、各部の復旧を行います。

こちらのアルファミトには、オリジナルサスペンションKITが装着済です。
改めて試運転を行い、思うのが。とても良く曲がる上出来なアシです。
アルファミトは、ノーマルの状態ですと若干腰高な感じが否めず、重心が高いな。。と思います。
車高を下げるだけで解決出来る問題では無く、サスペンションのセットアップが必須です。
エナペタルさんとの共同開発品による仕立てで、悪天候の安定感がとても向上する安心感の高い製品をリリース出来ました。

乗り心地としては固めの部類に属しますが、大切なのは不快なのかどうか。
心地よい硬さ・収束の素早いダンパー・思った以上の旋回性能 高次元でバランスしているサスペンションです。

アバルト色の強い当社ですが、ミトにも色々とご提案させて頂けます。
Written by Hashimoto

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