アバルト500 制動力とフィーリングを向上


アバルト500のお客様より、制動力を向上させたいという内容でご相談を頂きました。
これまでは低ダストパッドを使われていましたが、最近は乗り方に変化があった様でして、耐フェード性重視・踏めるブレーキへとシフトです。
ご提案は、パッド摩材の変更・ステンレスメッシュホースへの変更・リヤブレーキの大径化・ブレーキキャリパのO/Hとさせて頂きました。

キャリパのO/H(オーバーホール)については当初予定をしていなかったのですが、作業前のSDLによるブレーキテストにおいて、フロントブレーキの引きずりを確認しました。
追加でのご案内をさせて頂いた流れです。

上画像は作業前のSDLテストによる制動のグラフ。
向かって左側のグラフがフロントブレーキのテスト結果です。
グラフの表示順序は以下の通りです。
①ブレーキ非操作時(転がり抵抗=ひきずり確認)→②軽く制動を掛け、ディスク歪みの確認→③最大制動力の確認
順序に沿って制動ラインを見ると、最左側のグラフのなぞり方が非制動時にかかわらず右は400Nの抵抗を記録しています。
ブレーキを踏まずとも、路面に対して制動がかかっている。という事になります。
リヤ側に関しては、②段階において左ディスクロータの歪みを確認しました。

施工前は、ホイールの奥側に存在するブレーキディスクが見えませんでした。
これは汚れもありますが、リヤディスクのサイズが小さいという事もあり、ディスクロータの存在感がかすんでいます。

リヤブレーキディスクは新車時より未交換。早い段階で低ダストパッドを装着されていたこともあり、消耗はほとんど生じていません。
長期間使用故の錆びは致し方ないですね。

リヤディスクロータ・ブレーキキャリパブラケットを取り外し、このままブレーキホースも変更します。


使用するディスクロータは、当社オリジナルの人気商品 SessA リヤ・ビッグロータKITです。
パターンは、スリッドを選択します。
キャリパサイズはそのままに、制動点を外側へとオフセットする事で制動力を向上。
見た目と性能をバランス良く上げる事を可能としています。
ローターサイズはノーマル240mm → 280mm へとサイズアップです。

使い込まれたフロントブレーキキャリパ。
ブレーキキャリパのピストンは、マスタシリンダからの圧力により出たり・引っ込んだりと作動します。
出る力は油圧ですが、戻りについてはキャリパーシールのたわみを利用します。
熱が及んだり、経年劣化で硬化が始まるとその動きの柔軟性が失われます。
その結果、ブレーキペダルを踏んだ後に綺麗に戻らずひきずりを起こすようになります。

ですので定期的なメンテナンスは必要となってきます。
キャリパピストンの点検・シールとダストブーツの新調を施行すべきタイミングで行う事で、良い状態を保つ事が出来ます。

各部を組替えた後はブレーキディスクが鮮明に確認出来、ロータの存在感がクッキリと際立ちます。

ノーマルキャリパのアバルトですので、フロントディスク外径は284mmです。
そして新たに組付けたリヤディスクロータの外径は 280mmですから、前後のロータサイズ差がほとんど無くなります。

作業後の制動グラフ

前後共に転がり抵抗が低減し、制動バランスが向上していることが確認出来ます。
リヤディスクの交換により、ディスク歪みが消えフラットな制動ラインを表示する様になりました。

作業前の体感として感じる事の出来ない領域であっても、テスト結果にはしっかりと現れており、テスタ診断の優位性が明らかになりますね。

Written by Hashimoto

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