引出し段数増えました
サスセッティング沼に終わりは無い


今週はフィアット&アバルトの入庫が、過去最高な位に多かったと思っています。
しかも、作業内容にも偏りがあり、足回りのアップグレードと、点火系チューニングを整備と合わせてご依頼を頂く件数がとても多かった事が印象的です。

足回りのアップグレードをご用命いただいたうちの1台、FIAT500Cについてはオリジナルセッティングの車高調整式に変更のご依頼です。
今まではビルシュタインのB8スタンダードダンパー+アイバッハのスプリングを組み合わせたものをご利用いただいていました。
使用年数も長くなっており、試運転を行うと「随分とくたびれたかな?」というのが正直なところ。
ノーマル形状のストラットに、SessAスフェリカルアッパーN1を組み合わせているという、通好みの仕立てでご利用いただいていました。

今回ご用意をさせて頂いた製品は、裏メニューのオーダーメイド仕様です。
基本コンセプトは、SessAストリート・スポーツではあるのですがその中身は別物仕立てとなります。
先日、RIVALEのお客様にご提供した内容に準じています。
そこから500Cの屋根開きボディである事、アバルトとは前後の軸重が異なるという事に焦点を当てて減衰を変更しました。
パット見た目でわかる違いは、伸び切りのダンパー長の違いです。
長めのスプリングを使いたいという思いから、全長を伸ばしています。
スプリングレートも変えています。

冒頭にも使った画像ですが、リヤダンパーも専用品です。
コンフォート・スポーツと名付け、乗り心地重視の仕立てを表現できればと思っています。
フィアット500系のサスペンションセッティングを行う中で難しいのは、ホイールベースの短さ・リヤのトーションビーム構造の抑え方にあります。
トーションビームは左右の繋がった重たい構造物。縮み際と伸びる際に、自重があるがゆえの予想外の動きをする事が難点であります。
フィアット500&アバルト595において、サスセッティングの沼とはリヤをいかにうまく制御するかにかかっています。


ローダウンは程よく、上品に。
乗り心地はジェントルでありながらも、クイックなハンドリング。
こんなところを目指していきたいと思います。

足回りの奥深さは、迷い込んだら出口探しが大変な世界です。
好きでなければ出来ない作業の一つですね。
気張っていきます!
Written by Hashimoto

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