ツインエアー・MT クラッチが重たい
クラッチの減りなのか?検証


ツインエアーエンジンを搭載するフィアットの兄弟車・チンクやパンダですね。
これらの車種について、以前より感じていた事があります。
それは「距離は多くないのにクラッチペダルが重たい車が多い」事です。

一般的にはクラッチペダルの重たくなる原因として、クラッチの減りや摺動部の潤滑切れが考えられますが、ツインエアの場合7万キロ台あたりより
その様に感じる事が多いのです。
色々な車を動かす機会が多い職種ですので、クラッチの重たい・軽いについては敏感に感じますがツインエアーは重たい事が多い。

今回はフィアット500Sのお客様より、クラッチ交換のご依頼を頂きました。
当車輌も、クラッチペダルはとても重たく感じます。

この重たさがクラッチの減りなのか、どうなのか。検証したいと思います。
早速トランスミッションを降ろしました。

ミッションを降ろしてから気を付ける事。それは、ミッション内部でディファレンシャルが空転しない為の配慮です。

迂闊にミッションを管理すると、気付いたとき既に遅し。。デフが内部で空転し、ドライブシャフトが刺さらなくなります。
それを予防するために、デフに対してドライブシャフトのインナーを取り付けておきます。

車輌より取り外したクラッチディスク。
めちゃくちゃ減っている、という事は無さそうです。

測定してみると「6.4mm」

新品のディスク厚みは「7.7mm」

クラッチの消耗量としては 1.3mm と言う事が明確になりました。
外したディスクにはスリットが残り、リベットとの距離も有り、良く当サイトでお伝えする「激しく減っている」という状態では無いのですよね。

実際にどの程度の踏力変化が出るのかは、組んでからのお楽しみですね。

あとは、この機会に施しておきたい事を進めていきます。
クラッチレリーズレバー・ベアリングの交換

隙間の大きなブッシュは、オリジナルパーツのひとつ「SessA強化ロワアームブッシュ」を使ってアップグレード。

トランスミッションマウントも新調。

そして組み付けを終え、転がるようになりました。
さて結果はいかに!?

ペダル踏力は正常に戻りました。軽さが際立ち、操作性アップです。
と言う事で、結論。
ツインエアーのクラッチは減りの量が少ないにもかかわらず、踏力への変化は大きいという事。
原因として考えられるのは、レリーズシリンダがレバー式という事もあります。
最近では、ミッションケースにレリーズシリンダが組み込まれたタイプ(直動式)が一般的ですが、こちらはその間にひとつの機構が備わります。
そういった事も関与して、重さに繋がるのかな?と考えています。

ツインエアーマニュアルにお乗りの方から、度々クラッチの重さについてのご相談を伺います。
これで答えはハッキリしました。
「クラッチを交換すれば、軽くなります!」
減らさない為の努力も必要ですね。
Written by Hashimoto

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