ギヤ鳴りについて検証してみた
ルーテシア3RSの定番トラブル


「ガリッ!」と音をたてて変速するのは楽しいドライブの邪魔をする要素であり、精神的にも苦痛です。
当社で沢山の数をみさせて頂いてる車「ルーテシア&クリオ 3RS」に見られる多い状況のシンクロ不良を検証していきたいと思います。

今回の車輛の走行距離は2万キロ台と少なく、コンディション良好な個体であるにも関わらず変速時のギヤ鳴りは群を抜いての悪状況でありました。
サーキット走行を楽しむ事前提に導入されたお車、いずれはLSDの組み付けを行いながらミッションを修理したいとのご相談を数年前に伺っていました。

今回、その目標作業に着手となりました。
早速、トランスミッションを降ろし、分解を行います。
「取り外したプライマリシャフト」

上から順に、1~6速のギヤである事が分かりやすくマーキングを施します。
3&4のギヤの間と、5&6のギヤの間にはシンクロハブの存在を確認できます。
1&2速のシンクロハブは、セカンダリシャフトに組み込まれています。

ギヤ鳴り問題が発生しやすいのは3&4速であります。
画像は3速ギヤに凝結した状態。
注目は、4速ギヤの隙間にあるシンクロリングとギヤ間のクリアランス。
見方が分かれば隙間が全くない事が理解できます。

続いては5速ギヤに凝結。
6速ギヤの隙間に見えるシンクロリングは十分な隙間を確認できます。

さらには、3&4と5&6とシンクロリングは素材が異なる事から、色が違う事も理解できます。
スチールと真鍮の違いですね。

4速シンクロが異常に消耗していて、ピッタリとギヤに接触しています。

6速は隙間があり、シンクロが正常であります。

一般的な方々はトランスミッションの構造が理解し辛いと思います。
シンクロという言葉は聞いたことはあれども、構造と役割は?そうなると思います。
動画でシンクロの正常・異常についてまとめてみました。

シンクロは、回転するシャフトとギヤにブレーキを掛け、スムーズな変速を行うための機構。
回転力はエンジンから入力されます。
シンクロがへたると、ブレーキ効果が無くなる為、回転物に固定物を嵌め合う事となる為に「ギヤ鳴り」を生じます。


こちら、クワイフ LSDを組み込みながら、オーバーホール作業を進めて行きます。
Written by Hashimoto

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